北朝鮮は、トランプ大統領との歴史的首脳会談を契機に、国際社会でのプレゼンスを高めるべく、米国の他、中国やロシアとの連携強化など様々な行動に出ている。そしてこの程、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の願いが忖度されたのか、祖父であり北朝鮮建国の父である金日成(キム・イルソン)国家主席、父である金正日(キム・ジョンイル)総書記と同様、実物より遥かに大きい肖像画を平壌(ピョンヤン)国際空港に掲示して、同委員長の偶像化を進めていることが判明した。
11月6日付
『ニューヨーク・ポスト』紙:「金正恩氏の大肖像画が正式にお目見え」
北朝鮮の小柄な独裁者、金正恩労働党委員長の肖像画が初めて公に掲示された。ただ、実物より遥かに大きい7フィート(約2.1メーター)の身長の像となっている。
地元のテレビ局が、今週初めにキューバのミゲル・ディアス=カネル国家評議会議長が訪朝した際、平壌空港に掲示されていた映像を流したもの。
英『NKニュース(北朝鮮関連専門のニュースサイト)』の評論家であるオリバー・ホットマン氏が『BBCニュース』に語ったところによると、北朝鮮がいよいよ金正恩氏の偶像化を内外に示す政策の表れだという。...
全部読む
11月6日付
『ニューヨーク・ポスト』紙:「金正恩氏の大肖像画が正式にお目見え」
北朝鮮の小柄な独裁者、金正恩労働党委員長の肖像画が初めて公に掲示された。ただ、実物より遥かに大きい7フィート(約2.1メーター)の身長の像となっている。
地元のテレビ局が、今週初めにキューバのミゲル・ディアス=カネル国家評議会議長が訪朝した際、平壌空港に掲示されていた映像を流したもの。
英『NKニュース(北朝鮮関連専門のニュースサイト)』の評論家であるオリバー・ホットマン氏が『BBCニュース』に語ったところによると、北朝鮮がいよいよ金正恩氏の偶像化を内外に示す政策の表れだという。
また、同氏は、金氏が2011年に就任以来、核武装と経済発展を両輪とする政策を進めてきたが、ドナルド・トランプ大統領との歴史的会談を成し遂げるなど、2018年に大きな進展があったことから、同氏が習近平(シー・チンピン)国家主席やトランプ大統領と同等に渡り合えることを強調する意味でも、かかる肖像画の作成・掲示が為されたとする。
ただ、現実的には、国際制裁の停止も、海外投資の促進も、更には、数年内の南北朝鮮の統一も、米国による核兵器放棄が最優先との主張の前に、何ら進展が望めない状況である。
北朝鮮問題専門家で、金氏に関する著書も多く出版しているジャーナリスト、重村智計氏(元毎日新聞記者)は英『テレグラフ』紙のインタビューに答えて、北朝鮮の首脳にとって最も重要なことは成果を示すことだが、残念ながら金氏はまだ十分な成果を示せていない。
ただ、間もなく金氏が訪ロや訪韓する際には、北朝鮮メディアがつきっきりで同氏の動きを大々的に流し、同氏の偉大さをアピールすることになろうとコメントした。
更に重村氏は、金氏は心から、祖父の金日成国家主席、父の金正日総書記と同等に扱われることを望んでおり、今回の肖像画の作成・掲示も、同氏の支持者へ強くアピールする手段だと考えられると付言した。
閉じる