米シンクタンクのピュー研究所とドイツのケーバー財団が共同で実施した米独両国民の意識調査の結果が26日に公表された。これによると、それぞれの国民が相手国との関係などについて抱いている見解には、大きな差があることが明らかとなった。
『CNN』などのメディアが報じた本調査は、9月に米国の1,006名、ドイツの1,002名の成人を対象に電話で実施された。この結果によると、米国人とドイツ人の両国関係の状況に関する見方は大きくかけ離れていることが判明した。外交政策上の相手国の重要性や、両国がさらに協力すべきかといった問題についても、両国民の見解は大きく異なる。
先ず、米国人の70%が両国関係を「良い」、25%が「悪い」とみなしているのに対し、ドイツ人では「良い」と答えた人は24%だけで、73%が「悪い」と答えた。...
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『CNN』などのメディアが報じた本調査は、9月に米国の1,006名、ドイツの1,002名の成人を対象に電話で実施された。この結果によると、米国人とドイツ人の両国関係の状況に関する見方は大きくかけ離れていることが判明した。外交政策上の相手国の重要性や、両国がさらに協力すべきかといった問題についても、両国民の見解は大きく異なる。
先ず、米国人の70%が両国関係を「良い」、25%が「悪い」とみなしているのに対し、ドイツ人では「良い」と答えた人は24%だけで、73%が「悪い」と答えた。ピュー研究所は、ドイツで「2017年以来否定的な評価が急上昇した。」と説明しており、昨年米国との関係は「悪い」と答えたドイツ人は56%だった。
トランプ米大統領が就任した2017年以降、ドイツ人の米国に対する考え方は変化している。トランプ大統領はメルケル独首相の移民政策や、ドイツがロシアにエネルギーを依存していることを批判し、欧州連合(EU)をドイツのための道具と呼んだ。
トランプ大統領のこうした姿勢により、米国人の65%が欧州と緊密な関係を保つことを望んでいるのに対し、ドイツ人の72%は、外交政策に関して米国からより独立したいと考えている。ドイツとさらに協力すべきと回答した米国人は70%に上った一方で、米国とさらに協力すべきとしたドイツ人は41%にとどまった。
重要な外交政策のパートナーについては、ドイツ人は従来通りフランスを最も或は2番目に重要な国に挙げている。米国を同様に認識している人も35%いるが、2017年の43%からは減少した。一方、米国人にとって重要な国は、英国、中国、カナダが上位3カ国で、英国を挙げた人が37%だったのに対し、ドイツを挙げた人は7番目の9%だった。
しかしながら、米独両国民は、北大西洋条約機構(NATO)の重要性や、自由貿易の利点、国防費支出の必要性などに関しては概ね意見が一致している。但し、国防費の支出については、過去1年で両国ともに顕著な変化があり、自国の国防費を増加すべきと考えるドイツ人が昨年の32%から43%に増加したのに対し、欧州の同盟国が国防費を増額する必要があると考える米国人は、昨年の45%から39%に減少した。
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