マイク・ポンペオ米国務長官は12日、米ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナルの顧客情報が大規模なハッキング被害を受けた問題について、中国政府が世界的なサイバー窃取活動の一部として、これに関与しているとの見解を示した。
『AFP通信』などのメディアは同日、ポンペオ米国務長官が米Foxニュースの番組「フォックス&フレンズ」に出演し、マリオットの顧客情報への攻撃は、中国が背後で指揮しているとの米政府の認識について認めたと報じた。
ポンペオ国務長官は、「中国は世界中でサイバー攻撃を行ってきた。国土安全保障省、連邦捜査局(FBI)、国務省などによる我が国の取り組みは、こうした中国からの米国への脅威に対抗するものだ。...
全部読む
『AFP通信』などのメディアは同日、ポンペオ米国務長官が米Foxニュースの番組「フォックス&フレンズ」に出演し、マリオットの顧客情報への攻撃は、中国が背後で指揮しているとの米政府の認識について認めたと報じた。
ポンペオ国務長官は、「中国は世界中でサイバー攻撃を行ってきた。国土安全保障省、連邦捜査局(FBI)、国務省などによる我が国の取り組みは、こうした中国からの米国への脅威に対抗するものだ。」と述べ、「我々は彼らを戦略的な競争相手と考えている。中国は南シナ海で活動している。ここ米国では、スパイ活動を行い、国の運営に影響を及ぼしている。」と指摘した。
マリオットは11月30日、2016年に買収した「シェラトン」や「リッツ・カールトン」などのブランドのホテルを展開する傘下スターウッド・ホテルズの予約データベースが、14年以降ハッカー攻撃を受けて約5億人の顧客情報が流出した可能性があることを発表した。マリオットは9月に本件を認識し、その後FBIが捜査を進めているという。
マリオットの顧客情報を狙ったハッカー集団は、中国国家安全省の命令を受けて活動していたと考えられている。米紙ニューヨーク・タイムズは12日、いち早く中国政府の関与について報じた。米政府はこうしたハッカー集団の動きについて、医療保険会社や米行政機関の職員のデータベースを標的としたスパイ活動の一環と見なしている。
米政府は、中国が米政府や企業を標的として、広範囲に及ぶサイバー窃取活動をしていると考えており、これに対し今週にも、中国軍や中国当局との関係が指摘されるハッカーらを新たに訴追することを発表するとみられる。
米中関係は、マリオットへのハッキングの他、貿易や地政学的な問題、技術競争やスパイ活動による問題などをめぐり、一段と緊張が高まっている。先週カナダは、米国の要請を受けて、中国通信機器大手ファーウェイの孟晩舟最高財務責任者(CFO)を逮捕し、その後保釈を認めたが、中国もカナダの元外交官マイケル・コブリグ氏を拘束した。さらに別のカナダ人男性が、中国当局の聴取を受けた後に不明となったとの報道もある。
閉じる