トランプ米大統領は5日、議会で内外の情勢を報告し、今後の施政方針を表明する一般教書演説を行ったが、これに対するペロシ下院議長の反応が話題になっている。トランプ氏の後方で一言も発せず、表情と身振りで反論の姿勢を表し、民主党の立場を明確にした。
『ブルームバーグ』『AP通信』などが報じた。ナンシー・ペロシ氏は、カリフォルニア州選出の重鎮の下院議員であり、下院議長、民主党の下院院内総務などの要職を歴任し、今年の初めからトランプ共和党政権下で再度下院議長の職にある。ペロシ氏は、上院議長であるペンス副大統領とともにトランプ大統領の後方から演説を見守った。
トランプ大統領が、一般教書演説での定番の語り口である「我々の連邦は強固である。...
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『ブルームバーグ』『AP通信』などが報じた。ナンシー・ペロシ氏は、カリフォルニア州選出の重鎮の下院議員であり、下院議長、民主党の下院院内総務などの要職を歴任し、今年の初めからトランプ共和党政権下で再度下院議長の職にある。ペロシ氏は、上院議長であるペンス副大統領とともにトランプ大統領の後方から演説を見守った。
トランプ大統領が、一般教書演説での定番の語り口である「我々の連邦は強固である。」と述べると、軽く首を横に振って反対の意思を表明した。また、議員らを静かに見渡しながら、しばしば手元の演説原稿に目をやり、一部の発言には顔をしかめた。さらにトランプ氏が「愚かな戦争、政治的な対立、ばかげた党派的調査」だけが米国の「奇跡的な経済成長」を減速することができると述べると、信じられないという表情で冷笑を浮かべた。
但し、トランプ氏の言葉に対し、民主党議員がブーイングをしたり、不満を述べたりした少なくとも2回の場面で、ペロシ氏は軽く手を挙げ、静粛にするよう合図をして制した。そして大統領が、米軍の強さと雇用の増大について語った際には拍手を送った。
トランプ氏が議会で女性議員の数が過去最高となったことを称えると、ペロシ氏は立ち上がり、女性参政権のために戦った人々に敬意を表し、白い服装で出席していた多くの民主党女性議員らに合図を送った。彼女たちはさっと立ち上がって、向かい合ってハイタッチをし、トランプ氏の発言に大きな拍手で反応した。
トランプ氏とペロシ氏は、政府機関の一部閉鎖をめぐって対立し、閉鎖は史上最長の35日間にわたった。現在、米議会の上院では共和党が、下院では民主党が過半数を構成するいわゆる「ねじれ」の状況にあり、ペロシ氏は下院議長としての権力を行使して、トランプ氏と対峙し、議会の権限を行使している。ペロシ氏は、トランプ氏の壁建設費用の予算化に強く抵抗し、結局トランプ氏が一方的に譲歩する形で、政府機関が再開されている。
米メディアによれば、政府機関の一部閉鎖をめぐる一連の動きを通じ、民主党への期待感が高まり、ペロシ氏に好感を抱く人の割合も12月以来8ポイント上昇して42%となった。好ましく思わない人も47%いるが、好感度は2007年4月以降で最高であるという。
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