米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズは23日、オーストラリアで世界初の相乗り潜水艦を期間限定で航行することを発表した。北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁帯であるグレートバリアリーフを観賞する体験を提供するという。
『AFP通信』『USAトゥデイ』『ビジネスインサイダー』などのメディアが報じた。ウーバーは、今回のライドシェア(相乗り)潜水艦の航行は、世界初のプロジェクトであるとしており、クーンズランド州政府観光局との共同で、グレートバリアリーフを訪れるツアーを主催する。
使用される潜水艦「スキューバー(scUber)」は、バッテリーの電力で航行し、2人の乗客をツアーに案内する。ツアーの所要時間は1時間で、水深20メートル程度まで潜り、サンゴ礁帯を囲む指定されたルートを航行する。
乗客は配車予約と同様の方法で、ウーバーのアプリを通じて潜水艦ツアーを予約する。料金は、2人で3,000豪ドル(約22万6,000円)(1人当たり1,500豪ドル)で、ヘロン島などの出航場所へのヘリコプターによる往復の移動が含まれる。航行は5月27日から6月18日までの間に20回の限定となる。
ウーバー・オーストラリア・ニュージーランドのスーザン・アンダーソンGMは、より効率的で持続可能な方法で旅をするために、ライドシェアを推奨し、意識的な行動変化を起こすとしている。同GMは「クイーンズランド州と提携し、スキューバーの航行により、リーフを世界に紹介できて誇りに思う。」と述べた。
グレートバリアリーフは、1981年にユネスコの世界自然遺産に登録され、約34万8,000平方キロメートルの範囲に、1,500種類以上の魚が生息する世界最大のサンゴ礁帯であるが、環境汚染や気候変動により深刻な被害を受けており、大きな問題となっている。2016年にはサンゴの3分の1が熱波で死滅したが、17年にも白化現象によりさらに死滅し、その後も被害は拡大している。
ウーバーは、サンゴ礁の保存・回復などを行う団体に、今回の潜水艦ツアーで得た料金と同金額を寄付するとともに、同団体の一部の取り組みに対し、10万豪ドル(約755万円)を別途寄付することについても明らかにした。
閉じる