アマゾンが毎年開催する全世界の有料会員対象としたセールイベント「プライムデー」の期間にあわせて、何千ものアマゾン従業員が労働条件の改善を要求するためにヨーロッパと米国で連携して抗議運動を行った。
『AFP』によると、ドイツでは、7月15日から16日にかけて行われているプライムデーにあわせて、7つの事業所で計2,000人以上の従業員がストに参加したという。「従業員に負荷を負わせるセール」に抗議するためである。
ドイツの労働組合「ヴェルディ」のオルハン・アクマン氏は、「アマゾンは自社の従業員の賃金を犠牲にして顧客に割引を提供し、団体交渉から逃げている」と嘆いた。
アマゾンは15日月曜日、ドイツの従業員に対し正直であることを確約した。...
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『AFP』によると、ドイツでは、7月15日から16日にかけて行われているプライムデーにあわせて、7つの事業所で計2,000人以上の従業員がストに参加したという。「従業員に負荷を負わせるセール」に抗議するためである。
ドイツの労働組合「ヴェルディ」のオルハン・アクマン氏は、「アマゾンは自社の従業員の賃金を犠牲にして顧客に割引を提供し、団体交渉から逃げている」と嘆いた。
アマゾンは15日月曜日、ドイツの従業員に対し正直であることを確約した。同社は「集団的合意なしに、ドイツの従業員に対して誠実で責任ある雇用者になることができることを毎日証明しています」という声明を発表した。
声明では、支払われている給料は、ドイツで同じような仕事で提供される賃金の中でも最高額であり、「8,000人以上の従業員」が「アマゾンで5年以上働いている」と説明している。
『BFMTV』によると、ドイツでアマゾンの従業員は最低賃金を17%上回る時給10.78ユーロ(約1,311円)から始めるという。そして同社の報告によると24ヵ月後には、平均給与月額2,397ユーロ(約29万円)にのぼるという。
また『AFP』によると、フランスでも、フランス北部の事業所1か所で約2,500人の従業員が抗議運動に参加し、スペインやイギリスでは連帯を表明するためにストが行われたという。
イギリス労働組合GMB は声明で「私たちは、トイレに行くことができずにペットボトルで排尿を強いられた従業員、または妊婦が立ったままの作業を強いられ、一部は解雇の対象になっている、という恐ろしい情報を受け取っている」と述べている。
アマゾン本部のある米国でも、ミネソタ州シャコピーの倉庫で従業員らが「プライムデー」にあわせて、ストライキを決行。従業員の1人、ウィリアム ストルツさんは、『BBC』に対し、労働者にとって「安全で信頼できる仕事」を望んでいる、と語った。彼は毎日、10時間の間、およそ8秒毎に品物1個を取る、または1時間あたり332個の品物を取りに行かなければならない。
「私たちが働かなければならないスピードは肉体的にも精神的にも疲弊させるものであり、場合によっては怪我につながる」とも語った。「私たちを人間として尊重して扱い、機械のような扱いをしてほしくない」と述べた。
アマゾンは所得不均衡や安全性に欠ける労働慣行の問題が指摘されているが、同社は、米国で30万人、世界では63万人の従業員を雇っている。
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