カナダでは15日、同国を発着する航空便について、航空会社のオーバーブッキングにより、事前に予約したフライトに搭乗できなかった人に対し、最高2,400カナダドル(約20万円)を補償することなどを定めた、新たな消費者保護のための規則が施行された。
地元メディアのほか
『AFP通信』などの報道によると、カナダ政府は15日、航空旅客を保護するための規則が施行されたことを発表した。同国運輸省の声明では、情報の伝達や、オーバーブッキング、滑走路上の待機による遅延、荷物の紛失や破損、楽器の輸送などについて定めたとされている。航空会社は、規則に違反した場合、各事案につき最高2万5000カナダドル(約207万円)の罰金を科せられる可能性があるという。
本規則で航空会社は、一定のキャンセルを見込み、座席数より多くの航空券を販売する、いわゆるオーバーブッキングのように、会社側の責任によって乗客の搭乗を拒否した場合には、乗客が最終的に目的地にどれ位遅れて到着したかによって、最高で2,400カナダドル(約20万円)の補償金を支払うよう求められている。...
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地元メディアのほか
『AFP通信』などの報道によると、カナダ政府は15日、航空旅客を保護するための規則が施行されたことを発表した。同国運輸省の声明では、情報の伝達や、オーバーブッキング、滑走路上の待機による遅延、荷物の紛失や破損、楽器の輸送などについて定めたとされている。航空会社は、規則に違反した場合、各事案につき最高2万5000カナダドル(約207万円)の罰金を科せられる可能性があるという。
本規則で航空会社は、一定のキャンセルを見込み、座席数より多くの航空券を販売する、いわゆるオーバーブッキングのように、会社側の責任によって乗客の搭乗を拒否した場合には、乗客が最終的に目的地にどれ位遅れて到着したかによって、最高で2,400カナダドル(約20万円)の補償金を支払うよう求められている。
航空会社はまた、乗客から預かった手荷物の紛失や破損について、既定の手荷物料金の返金に加え、最高2,100カナダドル(約17万4,000円)の補償金も支払わなければならないことも定められた。
本規則の後半部分には、12月15日から施行されるものとして、航空会社が責任を負うフライトの遅延や欠航などへの最高1,000カナダドル(約8万3,000円)の補償金の支払いや、子どもを親や保護者の近くに座らせる義務などが規定されている。
カナダのマルク・ガルノー運輸相は、規則について明らかにした上で、「我々は、航空旅客の権利を守るために、明確で一貫し、透明性があって公正な、世界を主導する規則を策定した。」と述べた。
2017年に米ユナイテッド航空が、オーバーブッキングの飛行機から降機を拒否する乗客を強引に引きずり出した事件をきっかけに、各国は航空会社側の責任による乗客への補償に関する法制を整備している。今回のカナダの規則もこうした流れの中にあるが、航空業界はその施行に強く反発している。約290社の航空会社が加盟する国際航空運送協会(IATA)は、エアカナダほか航空会社などの18の原告らとともに、国際条約違反などを主張して規則の無効化を求め、カナダの連邦裁判所に提訴した。
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