米西部カリフォルニア州では、同州の中高生や大学生の身分証明書に自殺相談用の電話番号などの記載を求める新たな法律が7月から施行されている。9月から新年度が開始し、学生らはそうした情報が記載された身分証を受け取ることになる。
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『CNN』や
『ABCニュース』『CBSニュース』などの報道によると、同州の新法は、カリフォルニア州の公立校、私立校、認可制のチャータースクールの7年生から12年生と大学生の身分証に、新年度から自殺相談用ホットラインの「全米自殺予防ライフライン(National Suicide Prevention Lifeline)」の電話番号を記載することを義務付けている。
同法ではまた、自殺に限らず様々な困難な状況に陥った際に、携帯メールでカウンセラーに相談することができる「危機テキストライン(Crisis Text Line)」や、自殺予防のための地元組織の連絡先なども、身分証に記載することを認めている。...
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『CNN』や
『ABCニュース』『CBSニュース』などの報道によると、同州の新法は、カリフォルニア州の公立校、私立校、認可制のチャータースクールの7年生から12年生と大学生の身分証に、新年度から自殺相談用ホットラインの「全米自殺予防ライフライン(National Suicide Prevention Lifeline)」の電話番号を記載することを義務付けている。
同法ではまた、自殺に限らず様々な困難な状況に陥った際に、携帯メールでカウンセラーに相談することができる「危機テキストライン(Crisis Text Line)」や、自殺予防のための地元組織の連絡先なども、身分証に記載することを認めている。
法案の提案者である南カリフォルニア選出の州上院議員、アンソニー・ポータンティーノ氏は、2010年に自身の兄弟を自殺により失った。同議員は、自殺の問題を家庭内で率直に議論し、考えて欲しいと呼びかけた。
学生の身分証は、同州の各学校区で形式が少しずつ異なるが、各校では、法律に対応しホットラインの番号などを身分証に記載することに加えて、自殺予防のための講習会を実施するほか、教師たちに対し本問題に関する教育・研修などを行う予定だ。
こうした動きの背景には、米国で自殺率が上昇し続けていることがある。米疾病管理予防センター(CDC)が6月に発表した年次報告書は、2017年に自殺した人の割合は、1999年より33%高くなったとしている。
また、米医師会が発行する医学誌JAMAに掲載された研究論文によると、2000~17年の間に、特に15~24歳の若者の自殺率が大きく上昇しており、2017年には同年齢層の5,016人の男性と1,225人の女性が自殺により死亡し、過去最多人数を記録したという。
2017年3月から、女子高生の自殺を扱ったドラマシリーズ「13の理由(13 Reasons Why)」がネット配信された後、米国の10代の若者の自殺者が急増したとする調査結果もあり、こうしたドラマの影響力を指摘する専門家もいる。
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