29日、北朝鮮は4月に最高人民会議を開催したのに続き、今年2回目となる最高人民会議を開催した。会議では憲法の修正が議題となり、国務委員長の権限を強化し、国務委員長は代議員(国会議員に相当)を務めないことが明示された。
3月に行われた代議員選挙の当選者の名簿に、金正恩氏の名前がなかったことが注目されていたが、国務委員長は代議員を務めないことが、憲法で明確にされたわけである。
会議では、崔竜海最高人民会議常任委員会委員長が、第一議題の報告を行い、「金正恩同志の指導の下、社会主義強国の建設をさらに推進するための法律的担保として朝鮮社会主義憲法の修正案が提出された」ことが明らかにされ、新しい憲法の条文では、国務委員長の法的地位や権能に関連し、国務委員会委員長は最高人民会議で選挙され、代議員としては選挙しない、ことが明らかにされた。...
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3月に行われた代議員選挙の当選者の名簿に、金正恩氏の名前がなかったことが注目されていたが、国務委員長は代議員を務めないことが、憲法で明確にされたわけである。
会議では、崔竜海最高人民会議常任委員会委員長が、第一議題の報告を行い、「金正恩同志の指導の下、社会主義強国の建設をさらに推進するための法律的担保として朝鮮社会主義憲法の修正案が提出された」ことが明らかにされ、新しい憲法の条文では、国務委員長の法的地位や権能に関連し、国務委員会委員長は最高人民会議で選挙され、代議員としては選挙しない、ことが明らかにされた。また国務委員長は最高人民会議の法令、国務委員会の重要政令と決定を公布し、他国に駐在する外交代表を任命、または召喚することが付け加えられた。
これにより国務委員長の法律的地位がさらに強化されたことになる。
第二議題は人事で、最高人民会議常任委員会副委員長がこれまでの金永大議員から朴勇一議員に変わり、また内閣総理の提議により、孫英訓氏が内閣事務長に新たに任命された。
韓国聯合ニュースによると、当日は687名が出席したが、金正恩委員長は中央電視台の画面には映らなかったという。金正恩政権になって以来これまで10回最高人民会議がなされているが、参加したのはうち7回であった。
また1年に2回最高人民会議が開催されたのは2012,14年に続いて3度目になる。
非核化問題や米韓との外交問題が話し合われたどうかは不明だが、議題とならなかった可能性が高い。
なお憲法は本年4月の最高人民会議でも一部修正されており、そのときは国務委員長が「国家を代表する」とされた。また金正恩政権になってからは2012年、13年、16年に各々憲法に修正が加えられている。
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