国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は24日、インドネシアで続く森林火災による大気汚染が、1000万人近くの子どもたちの健康を危険にさらしていると警告した。被害が深刻な地域では、多くの学校が休校を余儀なくされ、子どもたちの学ぶ機会が奪われている。
『AFP通信』や
『ブルームバーグ』などの報道によれば、この火災は、森林などを焼いて大規模な農場としようとしたことから広がったとみられる。インドネシア政府は鎮火のため数万人規模の要員を動員し、消火用の飛行機を配備するなどして対応を続けている。
インドネシアの森林火災は、過去数週間にわたり東南アジアの空に広く有毒な煙霧を噴出している。空港などの施設が閉鎖され、人々は競ってマスクを買い求めたり、呼吸器疾患の治療のために医療機関に駆け込んだりするなど、その影響が拡大した。...
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『AFP通信』や
『ブルームバーグ』などの報道によれば、この火災は、森林などを焼いて大規模な農場としようとしたことから広がったとみられる。インドネシア政府は鎮火のため数万人規模の要員を動員し、消火用の飛行機を配備するなどして対応を続けている。
インドネシアの森林火災は、過去数週間にわたり東南アジアの空に広く有毒な煙霧を噴出している。空港などの施設が閉鎖され、人々は競ってマスクを買い求めたり、呼吸器疾患の治療のために医療機関に駆け込んだりするなど、その影響が拡大した。
ユニセフによれば、同国のスマトラ島やボルネオ島で最も深刻な被害を受けている地域には、18歳未満の子ども1000万人近くが暮らしており、その4分の1の約240万人が5歳未満だという。幼い子どもは呼吸が早く、免疫機能も十分に備わっていないため特に影響を受けやすい。また、妊娠中に大気汚染にさらされた母親から生まれた子どもは、発育が抑制され、低体重出産や早産の傾向が強くなると、胎児への影響も指摘されている。
ユニセフのデボラ・コミニ氏は、「大気汚染はインドネシアにとって深刻さが増大する課題である。」と述べ、「毎年数百万人の子どもが、健康を脅かし学校を欠席しなければならなくなる有害な空気を吸っており、生涯にわたる身体や認識機能の障害を患うことにもなる。」と警鐘を鳴らした。
大気汚染により、インドネシア全体で数千の学校が閉鎖され、数百万人の子どもたちが授業を受けられない状態が続いている。インドネシアの火災は近隣諸国にも影響をもたらしており、マレーシアでも先週多くの学校が閉鎖された。
大規模な森林火災は、ブラジルのアマゾンやオーストラリアなどでも発生しており、科学者らは地球温暖化への影響について懸念を強めている。欧州の機関による研究によると、インドネシアの火災が8~9月の間に大気中に排出したCO2量は、過去20年間で最も森林火災の被害が甚大だった2015年の1年分にほぼ等しいという。森林火災はそれ自体がCO2を発生させるだけでなく、CO2を吸収する森林を消失させてしまうため、環境にとって二重に損害をもたらすことになる。
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