河野太郎防衛相は9月27日午前の閣議で、2019年版防衛白書について報告した。本邦一部メディアでは、安全保障協力の章で、これまで豪州に続いて2番目であった韓国が、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)の後の4番目となったことを大きく報じている。しかし、米メディアはむしろ、安保の対象として、北朝鮮の核開発よりも中国の急速な軍備増強の脅威が大きいと評価していると報道している。一方、中国メディアは今のところ、安倍晋三首相から建国70周年を祝うビデオメッセージが届いたとのみ報じている。
9月27日付米
『CNBCニュース』:「日本、核武装の北朝鮮よりも軍事力増大の中国の脅威に焦点」
日本が9月26日にリリースした2019年版防衛白書によると、北朝鮮の核武装よりも、急速に増大した中国の軍事力の方に大きな脅威を抱いているとみられる。
防衛費総額では、北朝鮮の核開発及び中国の最新鋭軍備に対抗するため、直近7年間で1割増やされている。
同白書における安全保障に関わる記載から判ることは、同盟国の米国の記述の次に、従来の北朝鮮ではなく、中国の軍事力についての評価報告がなされており、北朝鮮よりも中国の脅威により焦点を当てていると解釈できる。...
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9月27日付米
『CNBCニュース』:「日本、核武装の北朝鮮よりも軍事力増大の中国の脅威に焦点」
日本が9月26日にリリースした2019年版防衛白書によると、北朝鮮の核武装よりも、急速に増大した中国の軍事力の方に大きな脅威を抱いているとみられる。
防衛費総額では、北朝鮮の核開発及び中国の最新鋭軍備に対抗するため、直近7年間で1割増やされている。
同白書における安全保障に関わる記載から判ることは、同盟国の米国の記述の次に、従来の北朝鮮ではなく、中国の軍事力についての評価報告がなされており、北朝鮮よりも中国の脅威により焦点を当てていると解釈できる。
また、冷戦時代に最大の脅威とされたロシア(当時は旧ソ連)は、北朝鮮の次の4番目に記載されている。
河野太郎防衛相も記者会見において、中国の急速に増大する軍事力について注視することが必要だとした上で、中国による西太平洋海域での空軍・海軍装備品の配備に加えて、対馬海峡から日本海にかけてしばしば出没していることに懸念を抱いているとコメントした。
なお、2019年度予算概算請求で、防衛省は9機のロッキード・マーチン社製最新鋭ステルス戦闘機F-35、総額1,156億円(11億ドル)の購入を求めている。
上記の戦闘機に加えて、最新鋭ミサイル防衛システムの導入等も含めて、2019年度の防衛費総額は5兆3,200億円と、前年度比+1.2%増となる見込みである。
一方、中国の今年度の国防費総額は1,770億ドル(約18兆6,000億円)と、前年度比+7.5%と報告されている。
9月27日付中国『環球時報』:「安倍首相から中国建国70周年を祝うメッセージ」
安倍首相は9月26日、中国建国70周年を祝うビデオメッセージを送ってきた。
ビデオメッセージの中で安倍首相は、今年6月末に主要20ヵ国首脳会議(G-20サミット)が大阪で開催された際、日中間で相互協力推進が確認されたとした上で、今後ともアジア地域及び世界全体の問題に対して、日中両国で協力して解決に当っていくことが望まれる、と言及した。
なお、習近平(シー・チンピン)国家主席が2020年春に訪日することが予定されている。
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