ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車の排ガス不正問題をめぐり、車の所有者ら約45万人が賠償金の支払いを求めている集団訴訟の審理が9月30日、ドイツの裁判所で開始された。
『AFP通信』や
『AP通信』、英
『BBC』などの報道によると、本件は2015年に発覚した「ディーゼルゲート事件」とも呼ばれるVWの排ガス不正問題に関する集団訴訟であり、昨年ドイツで施行された集団訴訟に関する新たな法律に基づき提起された最初の案件である。本訴訟では、ディーゼル車の所有者ら約45万人が賠償を求めている。
同集団訴訟の最初の審理がドイツ北部の都市ウォルフスブルクにあるVWの本社から30キロほど離れたブラウンシュヴァイクの裁判所で、9月30日の午前10時に開始された。...
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『AFP通信』や
『AP通信』、英
『BBC』などの報道によると、本件は2015年に発覚した「ディーゼルゲート事件」とも呼ばれるVWの排ガス不正問題に関する集団訴訟であり、昨年ドイツで施行された集団訴訟に関する新たな法律に基づき提起された最初の案件である。本訴訟では、ディーゼル車の所有者ら約45万人が賠償を求めている。
同集団訴訟の最初の審理がドイツ北部の都市ウォルフスブルクにあるVWの本社から30キロほど離れたブラウンシュヴァイクの裁判所で、9月30日の午前10時に開始された。2回目の審理は11月18日に予定されているが、裁判は長期化が予想される。そのため裁判官は和解の提案もしているが、今のところVWは受け入れていない。同社は一方で、排ガス規制の厳しい米国などで提起されている訴訟については、和解を進めているという。
原告らを代表する消費者団体VZBVは、VWは開発中の試験環境下より、路上において遥かに多くの汚染物質を排出するエンジン制御ソフトウエアを車に搭載し、購入者に意図的に損害を負わせたと主張している。裁判に参加する原告のVW車所有者らは、同社に対し、購入価格の返還を求めたり、最終的に嘘をついたと認めたりするよう訴えた。
VWは2015年、世界で1100万台の車の排ガス試験の結果を偽ったことを認め、それ以降同社グループ全体で300億ユーロ(約3兆5300億円)超の罰金や法的費用などを支払った。車の所有者だけでなく、同社株の急落により投資家らも同社に賠償を求めている。
ドイツ検察当局は9月24日、VWのヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)など現旧経営陣の幹部3人を起訴した。ディーゼル車排ガス不正問題という重要情報について早期に公表せず、市場の相場を操作したとしている。
ドイツでは、本集団訴訟の他に、全国で約6万1,000件の個別の訴訟が提起されており、地裁などでは既にVWの賠償責任を認める判決も出ている。本集団訴訟では必ずしもそれらの結果に従う必要はないが、原告VZBV側の弁護士は、勝訴の可能性は十分にあると説明している。一方、被告VW側の弁護士は、数十万台の車が問題なく利用されており、原告側に損害が発生した根拠はないと反論した。
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