北朝鮮が10月2日に発射したのは、射程距離2,500キロメーターに達する準中距離弾道ミサイルとみられる。これは明確な国連安全保障理事会制裁違反であると言えるが、安倍晋三首相は10月4日、臨時国会開催日の所信表明演説で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との直接会談開催に向けて努力すると表明した。これに関連して欧米メディアは、関係悪化が顕著な韓国よりも北朝鮮との関係改善を優先する意向だと報じている。
10月4日付米
『AP通信』:「安倍首相、韓国とは距離を置いて北朝鮮との首脳会談を模索」
安倍晋三首相は10月4日、臨時国会開催日の所信表明演説で、ミサイル発射を繰り返しているものの、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談開催に向けて努めていくと表明した。
同首相は今年初め、日朝首脳会談の前提条件として、日本人拉致被害者問題の解決を掲げていたが、今回は方針を改め、“前提条件を付けずに”、“如何なる機会を捉えても”首脳会談が持てるよう積極的に取り組んでいくと言及した。...
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10月4日付米
『AP通信』:「安倍首相、韓国とは距離を置いて北朝鮮との首脳会談を模索」
安倍晋三首相は10月4日、臨時国会開催日の所信表明演説で、ミサイル発射を繰り返しているものの、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談開催に向けて努めていくと表明した。
同首相は今年初め、日朝首脳会談の前提条件として、日本人拉致被害者問題の解決を掲げていたが、今回は方針を改め、“前提条件を付けずに”、“如何なる機会を捉えても”首脳会談が持てるよう積極的に取り組んでいくと言及した。
一方、これまで必ず言及していた韓国については詳しく触れなかったことより、同首相は韓国よりも北朝鮮との関係改善を優先していくものとみられる。
なお、韓国について同首相は、国際法に準拠して、国家間の取り決め・条約を遵守するよう望む、とのみ強調した。
同日付英国『ロイター通信』:「日本の首相、ミサイル発射を繰り返すものの北朝鮮との首脳会談開催は重要と位置付け」
北朝鮮は今週、潜水艦発射型弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表した。
これは、近々再開される米朝実務者協議に向けて、北朝鮮が交渉を有利に進めるための脅しとみられる。
北朝鮮の行為に対して安倍首相は10月3日、明らかに国連安保理制裁違反だと非難するコメントを発表した。
しかし、10月4日に行われた所信表明演説では、これまで掲げていた日本人拉致被害者問題の解決という日朝首脳会談開催の前提条件には触れず、“前提条件なしに”まず北朝鮮首脳と直接会談を行うべく優先的に取り組んでいくと表明した。
同首相は、首脳会談を通じて、当該拉致問題も含め種々の懸案事項を解決していきたいと言及した。
なお、北朝鮮は2002年、13人の日本人を拉致したことを認め、8人は既に死亡しているが生存する5人を返すと公表し、当該5人は無事帰国した。
しかし、日本側は拉致された人数は17人と主張しているが、北朝鮮は指摘された4人は北朝鮮に入国していないとして、拉致を否定している。
一方、韓国に関して同首相は、戦時中の徴用工に関わる昨年10月の韓国最高裁判決に拘らず、両国間の問題は全て1965年締結の日韓基本条約で解決済みであることから、韓国側は国際法に則って、同条約で定められた義務を果たすべきであると言及した。
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