欧州連合(EU)は12日、ブリュッセルで国防相会議を開き、米国とは別に独自で13種類の新たな防衛技術開発プロジェクトを推進し、防衛力強化で協力していくことで合意した。新型巡視船や航空機用の電波妨害対策機器、弾道ミサイル追跡技術などを開発する。
『ロイター通信』や独
『ドイチェ・ヴェレ(DW)』などが報じた。英国のEU離脱の決定を受けて、仏独を始めとする25カ国が2017年12月、軍備の開発、配備や資金供出などの防衛協力協定「常設軍事協力枠組み(PESCO)」に署名し、現在47件ほどの共同防衛プロジェクトが進められているが、新プロジェクトもPESCOの下で実施される。
フランスのマクロン大統領は、7日に英経済誌「エコノミスト」に掲載されたインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)は、協力体制の欠如や米国の動きが不透明であるとして「脳死状態」にあると指摘。...
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『ロイター通信』や独
『ドイチェ・ヴェレ(DW)』などが報じた。英国のEU離脱の決定を受けて、仏独を始めとする25カ国が2017年12月、軍備の開発、配備や資金供出などの防衛協力協定「常設軍事協力枠組み(PESCO)」に署名し、現在47件ほどの共同防衛プロジェクトが進められているが、新プロジェクトもPESCOの下で実施される。
フランスのマクロン大統領は、7日に英経済誌「エコノミスト」に掲載されたインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)は、協力体制の欠如や米国の動きが不透明であるとして「脳死状態」にあると指摘。EU内の防衛面での協力を深める必要性を強調していた。
今回合意された13の新プロジェクトでは、新たな艦船や弾道ミサイル追跡技術などのほか、特殊部隊の医療訓練センター、サイバー訓練センターなど、幅広い分野の兵器や軍事技術を開発する。これらには、ポルトガル、フランス、スぺイン、スウェーデンなど海岸線が長い国が共同開発する対潜水艦システム、ドイツなどが開発する電子戦軍事システム、イタリアやフランスなどが開発する小型の新戦艦、スペイン、フランス、スウェーデンなどが開発する電波妨害対策機器などが含まれている。
EUの28加盟国の内、NATOに加盟しているのは22カ国だが、EUは2021年から、兵器開発のために数十億ユーロ規模の資金を集めたいとしており、加盟国に新たな戦車、艦船、防衛技術などの開発について協力を求めていく考えだ。
今般、新たな13プロジェクトを決定するにあたっては、数カ月の交渉期間を要した。これまでも、陸・海・空・サイバーなど全ての領域のいかなる新たな兵器についても、NATOの意向に沿って配備が可能であったが、トランプ米大統領がNATOの意義に疑問を挟んだことで、欧州独自の防衛力強化の取り組みを推進する機運が高まっていた。
マクロン仏大統領は、NATOの安全保障上の基本原則である集団的自衛権にも疑問を示しているが、他加盟国は同氏のNATOに対する見方については、同意していない。NATOは12月4日、ロンドンで首脳会議を開催予定であり、議論の行方が注目される。
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