新たに発表された報告によると、英国の最も裕福な6人は最も貧しい1300万人と同じくらい多くの富を支配しているという。報告書をまとめた著者らは、こうした大きな富のギャップは「危険」であると指摘している。
『ハフィントンポスト』によると、今週3日に発行された英国慈善団体「Equality Trust」が、米経済紙フォーブスのデータとクレディ・スイス銀行のデータをもとに調査をしてみたところ、自動車、銀行、不動産、化学業界における経営者達でもある最裕福者6人(5家族)だけで460億ユーロ(約5兆5480億円)に相当する資産を余裕していることが分かった。これは、英国で最も貧しい人々1300万人分と同等であるという。
同報告書の著者らは「この報告書は、英国では不平等の上限が危険なほど高いことを明確にしている、そしてそれは2010年以降悪化の一途をたどっている。[…]世界経済大国第5位の国で、所得と富の不平等の度合いが、裕福国の中でも最も高い水準に属している。」と指摘している。
同団体は、英国の総人口の5分の1にあたる1,400万人が貧困状態にあり、そのうち150万人は生活の基本的なニーズを満たすことができていないと推定している。
同団体代表のワンダ・ワイポルスカ博士は英『ガーディアン』に対し「この報告書は、今日の英国の状態を気にかけている人には衝撃を与えるはずです」と語った。 そして「最裕福の人達とその他圧倒的多数の人達との間のこのような大きな差は危険です。 極端な富が非常に少数の人々に集中していることは、経済システムがいかに壊れているかを示しています。」と述べた。
英国の一人当たりの平均資産は2008年以降毎年増加しており、現在では2007年の水準を41%上回っているが、増加分が均等に分配されていないことが問題だという。
この調査結果はSNS上で熱烈な議論を引き起こしており、多くの人々が、少数の超裕福家庭と多数の貧しい人々との富のギャップを非難している。
労働党は英国の億万長者の3分の1が保守党に寄付したことを指摘しており、今月の総選挙でも不平等が重要な選挙課題となっている。
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