来年の米大統領選で民主党の候補者指名争いに出馬を表明したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長は10日、スペインのマドリードで開催中の気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)でのイベントで、トランプ政権がパリ協定の離脱手続きを進めていることを批判し、気候変動対策において中国との関係を改善する必要があると述べた。
『ロイター通信』『AFP通信』『AP通信』などによると、ブルームバーグ氏はCOP25の閣僚級会合が開幕した10日、自身が資金提供をしているパリ協定を支持する米国の州や都市、企業などが連携する組織の発表に参加した。自然保護活動を行う俳優のハリソン・フォード氏も参加し、トランプ政権のパリ協定からの離脱について批判している。
ブルームバーグ氏は先月、大統領選の候補者指名争いへの出馬表明後、2018年3月から務めていた国連気候変動対策特使を辞任した。...
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『ロイター通信』『AFP通信』『AP通信』などによると、ブルームバーグ氏はCOP25の閣僚級会合が開幕した10日、自身が資金提供をしているパリ協定を支持する米国の州や都市、企業などが連携する組織の発表に参加した。自然保護活動を行う俳優のハリソン・フォード氏も参加し、トランプ政権のパリ協定からの離脱について批判している。
ブルームバーグ氏は先月、大統領選の候補者指名争いへの出馬表明後、2018年3月から務めていた国連気候変動対策特使を辞任した。同氏は会場で、「中国が解決に取り組まなければ、この問題は解決しない。」と記者団に語っている。
中国のCOP25交渉団の代表である生態環境省のZhao Yingmin次官は、全ての国の参加が必要だとしている。同次官は、米国のパリ協定離脱に関する質問に答え、「気候変動への対応は、世界共同の取り組みであり、どの国も逃れられない。」と強調した。
ブルームバーグ氏は、パリ協定の順守継続を目指す米国の州や都市、企業などが参加する組織「我々はまだ(パリ協定に)参加している(We Are Still In)」に資金支援をしている。同組織は10日に公表した報告書で、オバマ政権時代の目標に沿って、2030年までに温室効果ガス排出量を2005年時から37%削減する計画を順調に進めていると説明した。
しかし、オバマ政権で国務長官を務め、パリ協定推進を主導したジョン・ケリー氏は、気候変動対策の目標は達成できておらず、重大な局面を迎えているとの認識を示した。米国が指導力を発揮しないことが一因であり、世界の対策が弱体化しているとして、トランプ政権を批判し、G20など主要国は、大人のように振る舞う責任があると主張した。
環境保護団体は、気候変動対策の取り組みに関する交渉のペースが遅いのは、今年世界でデモに参加した数百万人の若手環境活動家らの怒りが反映されていないからだと指摘している。国際環境NGOグリーンピース・インターナショナルのジェニファー・モーガン事務局長は、「(外の世界の圧力と会場内の交渉の)差異は、これまで自分が見てきた中で最も大きく、ただ心が痛む。」と語った。
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