1月20日付
『AP通信』:「南シナ海をめぐる近況」
<インドネシア研究者が中国は信用を失いつつあると警告>
戦略国際問題研究所(CSIS、ワシントンDC本拠の民間シンクタンク、1962年創立)ジャカルタ事務所のエバン・ラクスマーナ上級研究員は、1月20日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』紙に投稿して、中国が漁船団を派遣し、インドネシアの排他的経済水域(EEZ)内のナトゥーナ諸島周辺で勝手に操業をさせることは、悪戯にインドネシアからの信用を失うだけだと警告した。
中国は昨年12月、“伝統的な漁場”だと一方的に主張して、南シナ海南端のナトゥーナ諸島海域に、中国海警局の警備艇を伴わせて漁船団を派遣してきていた。
同研究員は、“インドネシアはかかる国と対話する必要もない”とも強調している。
<中国が米軍艦の台湾海峡横断を警戒>
中国外交部(省に相当)の耿爽(グァン・シュアン)報道官は1月17日、米軍艦が先週、無断で台湾海峡を横断したことから、“厳重警戒”しながら追尾したと発表した。
そして同報道官は、“米国は台湾問題について、米中関係を棄損させないよう注意を払うべき”と付言した。
米海軍は、ミサイル巡洋艦“シャイロー”が台湾海峡を通航したとのみ発表している。
なお、中国が“一つの中国”と主張する台湾では、台湾独立を支持する総統が先週の選挙で再選されたばかりである。
<中国の習国家主席がミャンマー訪問して連携強化>
習近平(シー・チンピン)国家主席は先週、ミャンマーを訪問した上で、種々の相互協力協定に署名して、両国間の連携強化に努めた。
中国はこれまで、西側諸国がミャンマーに経済制裁を科していた際に経済的支援を行い、また、国連などでミャンマーの問題が議題となる場合、同国を支持する立場を取ってきている。
かかる背景もあって、同国は、南シナ海領有権問題で、数少ない中国支持国の一つとなっている。
<米海軍長官代行がシンガポール訪問>
米海軍のトーマス・モドゥリィ長官代行が先週、シンガポール国軍を訪問して、両国が強固な戦略的パートナーであることを改めて強調した。
同代行はまた、“インド太平洋は最も重要”であり、“米・シンガポール両国の連携で安定を持続”させていく必要があるとも言及した。
なお、同代行は、チャンギ海軍基地を訪問し、また、寄港中の沿海域戦闘艦“ガブリエル・ギフォーズ”にも乗船している。
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