2月16日付
『AP通信』:「中国発の新型コロナウィルス感染問題にも拘らず、東京オリンピック“Plan B”がないことへの疑問」
東京オリンピック組織委員会及びIOC代表は2月14日、現在猛威を振るっている新型コロナウィルス集団感染問題に拘らず、東京オリンピックの“Plan B”は考えていないと明言した。
中国含む世界での新型コロナウィルス感染者は6万4千人以上に上り、中国での死者が1,400人、また、日本でも1人の死亡が確認されるほど、集団感染が広がっている。...
全部読む
2月16日付
『AP通信』:「中国発の新型コロナウィルス感染問題にも拘らず、東京オリンピック“Plan B”がないことへの疑問」
東京オリンピック組織委員会及びIOC代表は2月14日、現在猛威を振るっている新型コロナウィルス集団感染問題に拘らず、東京オリンピックの“Plan B”は考えていないと明言した。
中国含む世界での新型コロナウィルス感染者は6万4千人以上に上り、中国での死者が1,400人、また、日本でも1人の死亡が確認されるほど、集団感染が広がっている。
しかし、IOC調査委員会のジョン・コーツ委員長は2日間の日本訪問を終えた後の公式会見で、世界保健機関(WHO)からの綿密な助言を踏まえた上で、“目下、東京オリンピック開催を中止するとか、別の都市へ移すとかのPlan Bは一切検討していない”と強調した。
同委員長は、“もちろん、今後の状況を注視する”と断った上で、“特に、中国選手団は新型コロナウィルス感染を避けて中国を脱出済み”だとも言及した。
ただ、同委員長は、何人中国外へ逃れたのかまでは明かさなかった。
一方、元WHO西太平洋地区担当理事で感染症専門家の尾身茂氏は2月13日、“正直、東京オリンピック開催までに新型コロナウィルス感染問題が収束しているか現段階では不詳”とした上で、“感染源を水際で防ぐことは無理であると認識すべき”とコメントしている。
また、エジンバラ大学(1583年設立、スコットランドにある英語圏で6番目に長い歴史を誇る。世界大学ランキング20位)感染症疫学のマーク・ウールハウス教授は、“現段階では新型コロナウィルス感染問題が晩夏以前に解決すると信じることはできない”と語った。
更に同教授は、“インフルエンザは北半球の冬の風物詩だったが、2009~2010年に世界に広がった豚インフルエンザなどは、収束するのに夏季までかかっている”と強調した。
しかし、IOCが4年ごとのオリンピック開催で得られる57億ドル(約6,270憶円)の約73%が、米『NBC』や『NHK』等メディアからの放映権料で占めることから、簡単に日程を変更することはできない。
例えば、開催を2ヵ月延期すると、北米のプロスポーツ、全米フットボール・全米バスケットボール・メジャーリーグ、更には大学フットボール開催時期にぶつかってしまい、メディアは承服しまい。
更には、数百万枚の競技観戦チケット販売、航空便、ホテルの予約等が済んでしまっていることや、30億ドル(約3,300憶円)に上る日本開催のオリンピックへの地元のスポンサー拠出金の取り扱いも問題となる。
なお、コーツ委員長は、中国国営メディア『新華社通信』記者から、“オリンピック大スポンサーではあるものの、新型コロナウィルス感染源の省出身者であるジャック馬氏(通信販売大手アリババ創業者)が東京オリンピック観戦に来ると言ってきた場合、どう対応するのか”と尋ねられたことに対して、“日本の入国管理当局規則に則っての来日ならば問題あるまい”と、半ばジョークを交えて回答している。
閉じる