サウジアラビアでは、女性の権利向上に向けた各種の改革が進んでいる。同国政府が運営するスポーツ振興団体「サウジ・スポーツ・フォー・オール連盟(SFA)」は24日、女子のサッカーリーグを発足させることを発表した。
『AFP通信』や米
『CNN』、英
『BBC』などのメディアが報じたサウジ女子サッカーリーグの創設は、SFAの会長を務める富豪で著名投資家のアルワリード・ビン・タラール王子が発表した。SFAは「リーグ発足は、地域レベルで女性のスポーツ参加を増進し、女子スポーツの成果に対する認識も高まるだろう。」とコメントした。
SFAによると、女子サッカーリーグの大会は、地域別の予選リーグと決勝トーナメントで構成され、17歳以上の選手に参加資格がある。...
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『AFP通信』や米
『CNN』、英
『BBC』などのメディアが報じたサウジ女子サッカーリーグの創設は、SFAの会長を務める富豪で著名投資家のアルワリード・ビン・タラール王子が発表した。SFAは「リーグ発足は、地域レベルで女性のスポーツ参加を増進し、女子スポーツの成果に対する認識も高まるだろう。」とコメントした。
SFAによると、女子サッカーリーグの大会は、地域別の予選リーグと決勝トーナメントで構成され、17歳以上の選手に参加資格がある。試合は首都リヤドと西部ジッダ、東部ダンマンなどの都市で当面開催され、最初のシーズンには、総額50万サウジ・リヤル(約1470万円)の賞金が出されるという。
超保守的な王国であるサウジアラビアは、長年にわたり、世界で最も厳しく女性の自由な活動を制限してきた国の1つであったが、最近の解放政策により、女性の運転解禁を始めとした幾つもの画期的な改革が行われた。しかし、今なお多くの制限が残され、女性の人権保護を訴える人々が拘束されており、国連は改善を図るよう警告している。
サウジアラビアの女性は、最近まで公の場でのスポーツ参加が禁じられていた。しかし、様々なスポーツ運営団体からの圧力により、同国は女性の国際大会への参加を認めた。ジェンダー平等を強く求める国際オリンピック委員会(IOC)の圧力を受けて、2012年には初めて女性アスリートをオリンピックに派遣している。
サッカーについては、同国は以前、女性の競技場への立ち入りも禁止していたが、2018年1月になって、女性の競技場での観戦をようやく認めた。女子サッカーのワールドカップ(W杯)には参加したことがない。同国がW杯に代表チームの派遣を見送ってきた理由の1つが、国際サッカー連盟(FIFA)が2007年にイスラム教徒の女性が頭髪を覆う布「ヒジャブ」の着用を禁止したことであったが、禁止は2012年に解除された。
今回の女子サッカーリーグの創設は、サウジアラビアの女性にとってさらに大きな一歩となる。アルワリード王子も声明で、「サウジ女子サッカーリーグの発足は、我が国の将来と国民の健康、若者などにとって、さらなる大きな前進」と強調した。
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