安倍晋三首相は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの延期決定について、国内外からの強い突き上げがあるまで、“予定どおりの開催”に固執した。そして、東京都等の地方自治体が、新型コロナウィルス感染問題深刻化を少しでも抑えるべく、学校の閉鎖や外出自粛等を訴えているにも拘らず、同首相は、直近の改正法の下での“緊急事態宣言”は時期尚早と言い続けている。そこで、特に小規模自営業者からは、営業自粛に伴う補填がないまま、従業員の給料や賃借料等を負担し続けざるを得ない状況に、今更ながら、政権の“優柔不断さ”に我慢がならないとしていると、米メディアが報じている。
4月2日付
『NBCニュース』:「中小の自営業者、新型コロナウィルス感染蔓延化に対する政府の“優柔不断さ”に辟易」
2020年東京オリンピック・パラリンピックは延期され、しかも、新型コロナウィルス感染流行は益々拡大しているにも拘らず、日本政府は、ニューヨーク、カリフォルニア州、更には中国、イタリア、スペイン等で実施されている、都市封鎖のような大胆な政策を取ろうとしていない。
東京都をみても、4月2日だけで新たな感染者が最多の95人が報告され、3月31日の78人、4月1日の65人と衰える状況にない。...
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4月2日付
『NBCニュース』:「中小の自営業者、新型コロナウィルス感染蔓延化に対する政府の“優柔不断さ”に辟易」
2020年東京オリンピック・パラリンピックは延期され、しかも、新型コロナウィルス感染流行は益々拡大しているにも拘らず、日本政府は、ニューヨーク、カリフォルニア州、更には中国、イタリア、スペイン等で実施されている、都市封鎖のような大胆な政策を取ろうとしていない。
東京都をみても、4月2日だけで新たな感染者が最多の95人が報告され、3月31日の78人、4月1日の65人と衰える状況にない。
全国でも、感染者は3千人を超え、死者も78人に上っている。
そこで、小池百合子東京都知事は3月31日、これまでの自粛要請を更に強化して、1,400万人の都民に対して、バー、レストラン、またカラオケも控えて欲しいとまで要請した。
しかし、安倍晋三首相は、直近で法改正まで行って、態勢が整っているにも拘らず、“非常事態宣言”をするには時期尚早だと頑張っている。
東京都内でヘアサロンを営むオーナーは、ウィルス禍防御のための自主手段として、客席の間にスペースを設け、従業員には常時マスク着用を義務付け、一人の客へのサービスが終了ごとに座席・器具等を全て消毒させている。
ただ、自粛ムードが漂う中、来客数は減少しているものの、従業員の給料や店の賃借料負担は変わらず、喘いでいる。
一方、大阪市の松井一郎市長も、東京都と同様、自宅待機並びに不要不急の旅行を控える等の要請を出している。
そこで、大阪市内でカフェーバーを営む豪州人オーナーも、『NBC』のインタビューに答えて、“コロナ騒ぎで、客足はないし、外国人旅行者等も全く見かけない”とした上で、細々と営業は続けざるを得ないことから、“従業員への給与や賃借料支払いに苦労している”と語った。
そして同オーナーは、中小の自営業者の多くは自粛要請の下で、何ら支援もない状態にあり、諸外国の大胆な積極政策に比べて、“日本政府の優柔不断さ”に辟易しているとも言及した。
あくまで自粛要請の下では、政府からの主だった支援や補助は得られないという事情がある。
同日付『ロイター通信』:「安倍首相、“ロックダウン”はしないと発言して非難にさらされる」
政府の専門家会議が、新型コロナウィルス感染流行はぎりぎり持ちこたえているという状態にあると発表した翌日の4月1日、安倍首相は全世帯に2枚づつ布製マスクを配布すると表明した。
これには、ツイッターなどの多くのユーザーから、“エイプリル・フールの冗談?”、“全く税金の無駄遣い”等の辛らつな声が上がっている。
安倍首相が多くの市民の反感を買ったのは初めてではなく、結果的に来年に延期された2020年東京オリンピック・パラリンピックについても、国内外から厳しい指摘があるにも拘らず、ぎりぎりまで“予定どおりの開催”に固執していた。
更に、首相自身が、国民に対して外出などの自粛要請をしているにも拘らず、首相夫人の昭恵氏は、仲良しグループとともに夜の花見を楽しんでいる姿が報道され、市民の怒りを買っている。
日本におけるウィルス禍は、米国、欧州各国そして中国に比べれば、深刻度は低いかも知れないが、直近では新たな感染者が多く出現し、一日の最多記録を連日塗り替える勢いになっている。
しかしながら、安倍首相は依然、他国で実施しているような“ロックダウン”は時期尚早だと主張している。
ウィズダムツリー・ジャパン(ニューヨークのウィズダムツリー投資会社の子会社)のジェスパー・コール最高経営責任者は、安倍首相は常に“エコノミー・ファースト”であるから、自身が主導してきた“アベノミクス”を見殺しにするような“ロックダウン”はとても言い出せないだろう、と分析している。
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