新型コロナウイルスの世界的流行で、戦略的産業の移転の重要性が認識されるようになった今、ブルガリアやリトアニアなど、中央ヨーロッパや東ヨーロッパの国々が強力な産業基盤や安い労働力を生かして、ヨーロッパの新しい生産拠点になることを期待し始めている。
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『ルモンド』は、ヨーロッパ企業の生産拠点を中国から移転する場合、中央又は東ヨーロッパの国々に大きな可能性が出てくると記事で示唆している。
同紙は、ブルガリアのトミスラフ・ドンチェフ副首相が4月中旬にヨーロッパのニュースウェブサイトである「Euractiv」で述べた見解を紹介している。
ドンチェフ副首相は、コロナウイルスの危機を受けて、東ヨーロッパは「ヨーロッパの小さな中国」になる可能性があることを確信しているという。...
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『ルモンド』は、ヨーロッパ企業の生産拠点を中国から移転する場合、中央又は東ヨーロッパの国々に大きな可能性が出てくると記事で示唆している。
同紙は、ブルガリアのトミスラフ・ドンチェフ副首相が4月中旬にヨーロッパのニュースウェブサイトである「Euractiv」で述べた見解を紹介している。
ドンチェフ副首相は、コロナウイルスの危機を受けて、東ヨーロッパは「ヨーロッパの小さな中国」になる可能性があることを確信しているという。新型コロナウイルスの世界的流行から回復するとき、EUへの新加盟国はヨーロッパの産業にとって更に重要になると主張している。
ブルガリア企業は、生産チェーンを短時間で再編成できる能力があると示唆し、ブルガリアにとって好ましい「機会」であると述べている。
ポーランドの公共政策シンクタンクでアナリストをしているドミニク・オウザレック氏は、「各国は今のところ、主にコロナ危機による深刻な経済的および社会的被害を最小限に食い止めるよう、取り組みを行っているため、これについて話すのは時期尚早だ」と述べた。 中央または東ヨーロッパ地域は、主な経済パートナーであるドイツの自動車メーカーに依存しており、ドイツの不況の影響を強く受けているという。
ポーランドの経済専門家グゼゴルツ・シエレヴィッチ氏は、「中期的には、これらの国々がこうした動きを機会として生かす資源を備えていることは事実である」と語っている。
『Euractiv』は、中国での新型コロナウイルスの感染拡大によって、ヨーロッパでは、他地域で生産された医薬品、衛生用品、医療機器などが不足する事態となり、多くの業界で海の向こうからのサプライチェーンが中断されたことを指摘している。ヨーロッパがアジアの重要な製造施設の移転に過度に依存していることが判明し、経済専門家達は今回の危機を東ヨーロッパにとっての機会だと見ていると報じている。
ブルガリアのドンチェク副首相は「中央および東ヨーロッパは、過去10年以上もの間、再工業化のプロセスを経てきた。より洗練された製品の輸出と業界のシェアは着実に増加している」と述べ、また今回の危機で、結集し、責任を負い、他の人の苦しみに無関心ではないという、ブルガリアの人々の良さを浮かび上がらせたと述べた。
また『クーリエインターナショナル』は、リトアニアの動きについて報じている。5月下旬、リトアニアの財務大臣が長期投資の計画を発表した。その目的は、「外国人投資家に対して生産拠点をアジアから移転するように奨励すること」だという。 このために2100万ユーロ(約14億7千万円)が投資される予定だ。リトアニア産業界代表は、リトアニア企業は「流動性と適応性」が高いと述べている。
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