フランス小児学会の副会長である小児科医のロベール・コーエン医師が4日、新型コロナウイルスの子供の伝染力について研究結果を発表した。研究によると、15歳未満の子供は新型コロナウイルスに感染してもほとんど拡散させておらず、他の年齢層よりも伝染力が弱いことが判明した。
『レクスプレス』によると、首都パリを中心としたイル・ド・フランス地域圏で、4月14日から5月12日にかけて27名の小児科医によって605人の子供を対象に研究が行われた。血清学的診断法により、最も感染の拡がっていた地域の子供たちは、その10%が感染していたことが判明した。また、外出禁止令の間にPCR検査を受けた子供たちのうち、1.8%が陽性であった。
しかしコーエン医師は、「この陽性率をさらに詳しく調べて見たところ、伝染性があるのは驚いたことに0.6%だけであった。...
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『レクスプレス』によると、首都パリを中心としたイル・ド・フランス地域圏で、4月14日から5月12日にかけて27名の小児科医によって605人の子供を対象に研究が行われた。血清学的診断法により、最も感染の拡がっていた地域の子供たちは、その10%が感染していたことが判明した。また、外出禁止令の間にPCR検査を受けた子供たちのうち、1.8%が陽性であった。
しかしコーエン医師は、「この陽性率をさらに詳しく調べて見たところ、伝染性があるのは驚いたことに0.6%だけであった。また、10人中9人は、先に感染した大人から子供にうつされたものであった」とコメントしている。
今回の結果に対し、コーエン医師はいくつかの仮説を立てている。まず、子供たちが鼻粘膜のウイルス受容体が少ない可能性があるという仮説だ。また、「交差免疫」という仮説も考えられる。旧型のコロナウイルスに感染した経験を、リンパ球が覚えていて新型にも反応している可能性があるということだ。
更に別の仮説としては、「訓練免疫」というものであり、子供は「いつも鼻水が出ているため、感染症に対してより耐性があるという考えだ。
フランス小児学会幹事長のクリステル・グラルグアン医師は『フランス アンフォ』の取材に対し、今回子供達を調査した結果「この年齢層のウイルス拡散の役割はとても小さく、この年代から採取したサンプル分析の結果、感染率は非常に低く、伝染力も非常に低かった」と話している。「保護者達は、安心して学校再開に向けた準備を行うよう」薦めている。
グラルグアン医師はまた、子供たちの学校生活と社会生活への復帰は、懸念事項よりも推薦する根拠のほうが多いと指摘している。「この病気は子供達とはあまり関係性がないのに、社会的距離の保持や集団活動の制限など、過度の感染防止措置に参加させることは残念だ」と述べている。
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