新型肺炎の感染拡大防止対策として取られたロックダウンが5月に解除され、6月から本格的な経済活動の再スタートを切ったフランス。しかし、新規感染者数はまだ毎日平均500人前後出ており、ウイルスはまだまだ国内に出まわっている。しかし国民は、感染対策に対して急激な気の緩みを見せており、専門家達が警鐘を鳴らしている。
『ロイター』は、フランスでは社会的距離やマスク着用など、新型肺炎の感染再拡大防止のためのルールを守らない国民が急激に増えていると報じている。こうした状況に対して、フランスの新型肺炎対策専門家会議のデルフレシー座長が懸念を表明している。
デルフレシー座長は、フランスでは6月に経済活動の制限を解除して以来、新型肺炎の感染再拡大を抑えることに成功しており、フランス最大の音楽イベントであるパリ音楽祭が2週間前に終了したあとも、新規感染者の増加が特に確認されていないことは心強いことだと話している。...
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『ロイター』は、フランスでは社会的距離やマスク着用など、新型肺炎の感染再拡大防止のためのルールを守らない国民が急激に増えていると報じている。こうした状況に対して、フランスの新型肺炎対策専門家会議のデルフレシー座長が懸念を表明している。
デルフレシー座長は、フランスでは6月に経済活動の制限を解除して以来、新型肺炎の感染再拡大を抑えることに成功しており、フランス最大の音楽イベントであるパリ音楽祭が2週間前に終了したあとも、新規感染者の増加が特に確認されていないことは心強いことだと話している。
しかし同時に、フランス人が社会的距離やマスク着用を急に放棄し始めていることは驚きであり、2月のミュルーズの町で行われた集会であったように、一人によって50人、ないし100人が感染する可能性があるため、気の緩みは禁物であると指摘している。
『ルパリジャン』は、読者に対し注意を喚起するためか、欧州の他の国々から見ても、フランス人は最も気が緩んでいる国の一つだという各国からの声を報じている。
新型肺炎による死者数がフランスとほぼ同じであるスペインからは、スペインでは感染防止対策をより深刻に受け止められていることをバルセロナ特派員達が指摘している。最近フランスに行ってきたという特派員の知り合いのスペイン人達はみな、フランスでは多くの人がマスクをしておらず、レストランでもテーブル同士が密接していることなどにショックを受けたと証言している。
イタリア特派員達からも同じような感想が届いている。そもそも感染対策のルールはイタリアのほうが厳しく、国民もそうした対策をフランス人よりも守っているという。例えば、記者自身も、数日前にローマの地下鉄で、マスクを着用していない10代の若者に対し年配の人たちは電車から降りてもらったという光景を見かけたという。
ドイツの記者からも、ドイツ国民はフランスとは違い、感染防止のためのルールをよく守っているという報告が届いている。
パリにあるピティエ・サルペトリエール病院の感染症部門長、エリック・コーム医師は、「フランスは非常に気が緩んでいる」とコメントしている。専門家会議のデルフレシー座長は、フランスでは特に若い世代が感染対策を守らなくなっていると指摘している。
『BFMTV』によると、握手やキスによる挨拶の習慣がまた戻ってきており、フランス人がもっと努力しなければ、他のヨーロッパの国ように、一部の地域で経済活動に再度制限をかける必要が出てくる、または予定よりも早く第二波が来てしまうと専門家達は警告している。
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