韓国サムスン電子はスマートフォンの生産をベトナムに移した後、2002年から蘇州で稼働させていたデスクトップとノートパソコンの組立ラインも8月末で閉鎖することを発表した。多くの多国籍企業にとって「メイド・イン・チャイナ」は、コストが高くなりすぎているだけでなく、米中間の貿易戦争が激化しリスクが高くなりすぎている。
仏
『ルポワン』は、中国は世界の工房としての地位に別れを告げるのか?という問いを投げかけている。
インドやベトナムの台頭など、ここ数年で既にその傾向が始まっているようだが、サムスン電子も8月末にデスクトップとラップトップの組み立てラインを閉鎖することを決定した。この決定は、経済的な理由だけでなく、政治的な理由によっても動機付けられている。
サムスン電子は2002年9月に、蘇州に大規模なパソコン組み立て工場を設立した。...
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『ルポワン』は、中国は世界の工房としての地位に別れを告げるのか?という問いを投げかけている。
インドやベトナムの台頭など、ここ数年で既にその傾向が始まっているようだが、サムスン電子も8月末にデスクトップとラップトップの組み立てラインを閉鎖することを決定した。この決定は、経済的な理由だけでなく、政治的な理由によっても動機付けられている。
サムスン電子は2002年9月に、蘇州に大規模なパソコン組み立て工場を設立した。低コストの労働力のおかげで、すぐにサムスングループ全体のパソコン生産を引き受けるようになった。しかしそれから18年後、より魅力的な国に生産拠点を移すために中国での組み立てと生産を取りやめることが決定された。
組立ラインは8月末に閉鎖され、現場に残っている1700人の従業員のうちの半数が解雇または、別の拠点に移されることになる。研究開発部門のみ残される。
サムスンはパソコンの新しい生産拠点を発表していないものの、韓国のメディアは、サムスンが2010年代半ば以降から多額の投資を行っているベトナムになると報道している。
『レゼコー』によると、蘇州の工場は、サムスンの幹部の目には徐々にその存在意義を失っていったという。製造コストが上昇し、サムスンのシェアは中国国内で縮小していた。2012年の最盛期には、6,000人以上の労働者を雇用し、パソコン関連の輸出だけで43億ドル(約4500億円)以上を生み出していた。しかし2018年には、10億ドル(約1056億円)にまで落ち込んでいる。
今回の蘇州工場の閉鎖は、2018年と2019年の3つの工場閉鎖に続く動きとなる。サムスンは、深セン、天津、恵州のスマートフォン製造ラインを閉鎖しており、人件費が中国よりも大幅に安く、米中貿易紛争による混乱からも身を守れるベトナムの新拠点に生産を集中させていた。
米中間の緊張がエスカレートし、新たな関税措置が導入されて以来、多くのメーカーが主要な生産ラインを中国外に移転する意向を表明している。いくつかの政府は、この動きを支援するための財政支援を行うことも約束している。
日本政府も7月、生産拠点を中国から日本に戻す日本企業、又は東南アジアに拠点を開発するための公的補助金を受ける日本企業を計87社発表している。
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