ほぼ2週間前の前回報告時より、日本のみならず世界における感染者数及び死者数とも、益々増えて留まるところを知らない。南米やアフリカ大陸における増加が深刻であるが、経済活動再開に踏み切った欧米諸国でも、皮肉なことにかつてのピーク時を超える勢いで感染が再拡大している(文中のデータは、米ジョンズ・ホプキンス大学集計の8月9日午後3時現在)。
8月8日付
『AP通信』他:「新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題に関わる直近の状況」
<注目ニュース>
●世界保健機関(WHO);ドイツ及びフランスは、主要7ヵ国(G-7)保健相会議において、離脱を表明した米国がWHO改革案協議を主導することに反対表明。
●ブラジル;死者が10万人台に到達。
●南アフリカ;死者が1万人台を突破して、依然、感染者・死者数ともアフリカ大陸で半分超。
●英国;感染者再拡大を理由に、8月8日以降全国ベースで屋内施設でのマスク着用を義務化。
●パキスタン;感染者・死者数とも漸減傾向より、国内線に続いて国際線受け入れ再開。
●イタリア;5月末以来再び一日当たり感染者が500人超発生より、保健当局が感染防止対策の徹底を再度訴え。特に、移住者や夏季休暇からの帰国者の感染者増に警戒。
<WHO>
・ドイツ保健省は8月8日の声明で、ドイツ及びフランスは、8月13日に開催されるG-7保健省閣僚会議において、“WHOから脱退を決めている米国が、WHO改革案協議を主導することに反対する”と発表。
<ブラジル>(感染者301万3,369人、死者10万543人、致死率3.3%)
・ブラジルの感染者が300万人、また死者が10万人の大台に到達。いずれも、米国に次いで世界2位の最多記録。
・特に、5月下旬に国内大流行となって以来、一日平均1千人超の死者が出ており勢いは止まず。
・ただ、専門家によれば、感染症検査が全国で十分行われておらないため、感染者・死者数とも上記よりもっと多い可能性。
<南アフリカ>(感染者55万3,188人、死者1万210人、致死率1.8%)
・保健省の8月8日発表によると、死者数が1万人台に到達。依然、感染者・死者数ともアフリカ大陸全体の半数超を占める。
・ただ、専門家によると、感染症検査キット不足で十分行われていないことや陽性でも無症状者がいることから、実質的な感染者・死者数とも数倍いると推測。
<英国>(感染者30万9,763人、死者4万6,566人、致死率15.0%)
・都市封鎖措置の緩和以降、感染者が再び増加に転じたことから、8月8日以降全国ベースで屋内施設でのマスク着用を義務化。
・イングランド及びスコットランド・カントリーでも今後、ほとんどの屋内施設-教会、博物館、映画館、銀行、図書館-でマスク着用必須。なお、小売店や公共交通機関内では既にマスク着用義務化済み。
<パキスタン>(感染者28万3,487人、死者6,068人、致死率2.1%)
・政府は、感染者・死者数とも減少傾向となっていることから、8月9日より全国の空港で国際線受け入れ再開を決定。
・一部の空港では数週間前から国内・国際線受け入れを再開済み。また、今週(8月3日の週)からは、全ての空港での国内線受け入れ再開済み。
・なお、空港封鎖措置は、3月に全国を対象に都市封鎖措置が講じられたと同時に実施。
<イタリア>(感染者25万103人、死者3万5,203人、致死率14.1%)
・5月下旬以来、再び一日の感染者が連日500人超。
・そこで当局は、都市封鎖措置を緩和したスペイン、フランス、ドイツにおける一日の感染者が1千人超となっていることを例に挙げて、感染防止対策を再び徹底するよう要請。
・特に、移住者や夏季休暇からの帰国者にクラスター(集団感染)が発生していることに懸念。
<ドイツ>(感染者21万6,896人、死者9,259人、致死率4.3%)
・外務省は、感染が拡大しているブルガリアとルーマニアへの渡航注意喚起を発表。同国からの帰国者は感染症検査を義務化。
・また、欧州連合(EU)外で感染が深刻な国からの帰国者も、8月8日以降感染症検査を義務化。
・当局は、直近3日間の感染者が連日1千人超と拡大していることに懸念。
<フランス>(感染者19万7,921人、死者3万324人、致死率15.3%)
・8月7日の感染者が5月以来最多の2千人超となり、フランス全土、特に観光地として名高い都市でのマスク着用義務化を徹底。
・フランス南部の高級リゾート地、フランス・リビエラ(総称コート・ダジュール)のサントロペでは、屋外でのマスク着用義務化を開始。
・フランス全土では既に、公共の屋内施設でのマスク着用が義務化されているが、フランス第2の都市マルセイユ(南西岸)では混雑する場所(屋外)でのマスク着用が義務化、また、パリでも8月10日より同様措置。
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