対中強硬政策を取るトランプ政権は、保健福祉省長官に続いて、国務省次官を訪台させて台湾接近姿勢を際立たせている。一方、米中間でバランス外交を取ろうとしている日本は、トランプ政権のようにはっきりした台湾政策を打ち出せないでいる。それを見越してか、蔡英文(ツァイ・インウェン、64歳)総統は、訪台中の森喜朗元首相(83歳)に対して、目下のところ菅義偉新首相(71歳)と会談する予定はないと言明している。
9月20日付
『ロイター通信』:「台湾総統、日本の新首相と会談する予定なしと表明」
台湾の蔡英文総統は9月20日、菅義偉新首相と目下のところ電話会談する予定はないと言明した。
これは、李登輝(リー・トンホイ、1923~2020年)元総統の告別式に出席した森喜朗元首相との会談で発言したもので、森氏からは、“菅首相が、機会があれば電話会談等する意向がある”と伝えられたことに対応したものである。...
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9月20日付
『ロイター通信』:「台湾総統、日本の新首相と会談する予定なしと表明」
台湾の蔡英文総統は9月20日、菅義偉新首相と目下のところ電話会談する予定はないと言明した。
これは、李登輝(リー・トンホイ、1923~2020年)元総統の告別式に出席した森喜朗元首相との会談で発言したもので、森氏からは、“菅首相が、機会があれば電話会談等する意向がある”と伝えられたことに対応したものである。
これに対して、中国外交部(省に相当)は9月20日晩、日本側から説明されているのは、“かかる事態(日台首脳会談)はあり得ない”ということだと表明した。
日本の外務省も、“今のところ蔡総統と電話会談する予定はない”とコメントしている。
台湾は、1895~1945年の間、日本の植民地となっていたが、日本政府は1972年、台湾との国交を断絶して中国との国交を選択している。
一方、台湾の多くの人たちは、中国や韓国と違って、未開発の農地だった台湾を近代化してくれたとして日本を好意的にみている。
9月19日付『新華社通信』:「日本、新首相が台湾の蔡総統と電話会談との話を否定」
外交部の汪文斌(ワン・ウェンビン、49歳)報道官は9月19日、日本の新首相が台湾の蔡総統と電話会談をする見込みとのメディア報道に関し、日本側が否定していることを明らかにした。
現地メディアによると、訪台中の森元首相が蔡総統と9月18日に会談した際、適当な時期に菅新首相が同総統と電話会談する意向を持っているとの話題が出たという。
しかし、汪報道官は、日本側にこの件について照会したところ、“メディア報道のような話はない”と日本側からはっきり伝えられたと言及している。
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