新型コロナウイルス感染症のパンデミックが中国の輸出に利益をもたらしている。ユーラーヘルメス社の調査によると、「世界の工場」とも呼ばれている中国の輸出企業は、8カ月間続いているコロナ禍が世界の輸出上位企業に不利益を与えているのを尻目に、着々と市場シェアを伸ばしていることが分かった。
今年2月、新型コロナウイルス感染症は主に中国国内で猛威を振るっていた。武漢や他のいくつかの大都市のロックダウン措置によって中国の経済活動が機能不全に陥り、世界に向けた輸出が停止した。しかし、8カ月が経った現在、状況が一変している。
仏金融新聞『ラトリビューヌ』によると、中国の輸出企業は、中国がコロナ禍から抜け出して以来、世界市場のシェアを伸ばしているという。信用保険会社のユーラーヘルメス社は、「世界の輸出企業上位20社のうち、中国輸出企業の市場シェアは、2017年から2019年の平均が約20%であったのに対し、現在は約25%となっている」と発表した。...
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今年2月、新型コロナウイルス感染症は主に中国国内で猛威を振るっていた。武漢や他のいくつかの大都市のロックダウン措置によって中国の経済活動が機能不全に陥り、世界に向けた輸出が停止した。しかし、8カ月が経った現在、状況が一変している。
仏金融新聞『ラトリビューヌ』によると、中国の輸出企業は、中国がコロナ禍から抜け出して以来、世界市場のシェアを伸ばしているという。信用保険会社のユーラーヘルメス社は、「世界の輸出企業上位20社のうち、中国輸出企業の市場シェアは、2017年から2019年の平均が約20%であったのに対し、現在は約25%となっている」と発表した。
同社は、「このような急激な増加は、過去の世界的な危機では観察されなかった」と指摘している。そして、「中国の輸出は今年驚くほど好調で、輸入の減少にも支えられて、貿易収支が明らかにGDPの成長に貢献している」と説明している。
『BFMTV』によると、2020年の第3四半期だけでも、中国のGDPは4.9%増を記録している。
中国は、マスク、防護服、消毒剤をはじめとする医療製品の世界有数の供給国でもあり、世界中の新型コロナウイルス対策のための強い需要が、中国の受注を大きく牽引している。
コロナウイルス対策に使用される製品の世界貿易における中国の市場シェアは、今年は平均して11.5%を記録した。2017年から2019年にかけては8.8%だった。
また、パンデミック以来、パソコン、電話機、ヘッドセットをはじめとしたテレワークに関連する中国のハイテク製品の市場シェアが、世界全体の33%に跳ね上がっている。新型コロナウイルスが流行する前の2年間の平均は27.1%だった。
ユーラーヘルメス社は、パンデミックの結果、中国の輸出企業は、ヨーロッパとアジアを中心としたほとんどの主要経済で市場シェアを総じて拡大している、と指摘している。ユーロ圏の上位5カ国においては、中国からの輸入総額のシェアが今年平均11.5%に達したのに対し、2017-19年は平均9.0%だったと推定している。
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