米国のトランプ大統領は2日、ジョージア州のラッフェンスパーガー州務長官との電話会談で、同州の選挙結果を覆すのに十分な票を「見つける」よう圧力を掛けたとする会談の録音内容をワシントン・ポスト紙が流した。このニュースはまたたくまに全世界に広がり、日本のメディアでも取り上げられた。しかし、ワシントン・ポスト紙のニュースは反トランプメディアによる意図的なフェイクニュースだった可能性があることが分かってきた。
米
『アメリカン・シンカー』や
『ビズパックレビュー』などの保守系メディアによると、まず、電話会議にはトランプ大統領だけではなく、マーク・メドウズ首席補佐官、 マイク・ポンペオ国務長官、そして複数の弁護士も同席していた。会議は1時間以上に及んだ。
また、ワシントン・ポスト紙は、負けたことを前提にその結果を捻じ曲げようとしたと指摘しているが、1時間以上に及んだ会話は、トランプ氏がジョージア州で勝ったという前提で進められていた。トランプ氏は会談冒頭で、ラッフェンスパーガー州務長官の監視下で大規模な不正行為があったことを示す事実を列挙した。トランプ氏の集めた証拠によると、トランプ氏は11,780票で負けたのではなく、消えたトランプ氏の票やバイデン氏の不正票を含め、30万票以上の票で勝利したと主張している。トランプ氏の発言の一部を紹介すると、
「我々が勝ったことはかなり明確だと思う。 ジョージア州では大勝だった。」
「25万から30万の投票用紙が不思議なことにどこからか出て来て投票にふくまれた。」
「フルトン郡の署名を調べれば 少なくとも数十万の偽造署名が見つかるはずだ。」
「投票所に行ったら、投票済みだからあなたは投票できないと言われた人が5万人いた。」
「有権者名簿に載っていなかった投票者が4,502人いた。 」
「住所が記載されていない場合は数えることは許されないはずだが、住所が空欄の投票者が18,325人いた。」
この他にもトランプ氏は、フルトン郡の選挙管理者が水道管の決壊を理由に共和党オブザーバーを帰宅させた後、最低でも18,000票をバイデン側に投票した可能性や、4,925人の州外有権者が不法投票したこと、誰も住んでいない住所を使用して投票した2,326人のこと、亡くなっているはずの5,000人が投票したことなど、数々の不正事例を列挙した。そして、ジョージア州が証拠をシュレッダーにかけているという疑惑も提起した。つまり、これらの違反行為を総合すると、ジョージア州でトランプ氏が「11,779票の差で負けたという票数の何倍もの数」になるということが会談で説明された。この後、マーク・メドウズ首席補佐官が、州務長官に対し正直な調査を進めてほしいと依頼し、より詳細に調査するための合意を見つけたいとする願いを伝えた。
この求めに対し、ラッフェンスパーガー州務長官は、すでに訴訟に対処しなければならなかったこと、また「州の上院に約1時間半の時間を与えて選挙の争点を一問一答し、州議会の政務委員会には約2時間半の時間を与えた。それから数日前には共和党の下院議員に会い、2時間ほどかけて今回の選挙について話した」としてこれ以上調査には協力はしない旨を伝えている。
これに対しトランプ大統領は、「我々は州で勝っているのだ」と再び述べた上で、州務長官が30万票以上の問題票の調査に膨大な時間を費やす必要はないことを示唆し、正当な勝利であることをきちんと示すために、11,779票を調査する必要があるだけだと説明した。
ジョージア共和党のデビッド・シェーファー委員長はツイートで、ワシントン・ポスト紙が公開した音声は大幅に編集されており、話し合いは全て係争中の訴訟の和解を目的としたものであり、同紙は連邦法と州法の下では機密であるという規定も省いているとツイートした。ワシントン・ポスト紙が公表した録音内容は、1時間以上に及んだ会話を4分の会話に編集したものとなっている。
なお、シェーファー委員長は、協議による解決を密かに録音し、メディアにリークしたラッフェンスパーガー州務長官に対し、大統領が2件の訴訟を起こしたこともツイートしている。
閉じる