新型コロナウイルスの流行が続くスイスでは、飲食店やレジャー施設の閉鎖措置が2月末まで延長され、18日からは生活必需品以外の小売店も対象となることが発表された。新型コロナウイルスの変異株による感染再拡大の懸念もある中、スイス陸軍が徴兵制度に例外的な措置を講じた。4ヶ月に及ぶ兵役の最初の数週間を、リモート学習の形で行うというものである。
フランスのラジオ放送局
『RFI』によると、スイスでは今月から約1万2千人の若者が兵役に就くことになっている。スイス軍は、入隊者の半数、6,000人の若者だけを兵舎に招き、残りの若者には自宅から通信教育を受けてもらうようにプログラムを調整した。リモート学習の人は、3週間の間、1日6時間パソコンの前で勉強することになる。
学習内容としては、敬礼の仕方、ガスマスクの付け方、武器の扱い方、軍事規則などを学ぶことになり、体力トレーニングの時間も計画されているという。...
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フランスのラジオ放送局
『RFI』によると、スイスでは今月から約1万2千人の若者が兵役に就くことになっている。スイス軍は、入隊者の半数、6,000人の若者だけを兵舎に招き、残りの若者には自宅から通信教育を受けてもらうようにプログラムを調整した。リモート学習の人は、3週間の間、1日6時間パソコンの前で勉強することになる。
学習内容としては、敬礼の仕方、ガスマスクの付け方、武器の扱い方、軍事規則などを学ぶことになり、体力トレーニングの時間も計画されているという。3週間のリモート学習終了後、所属部隊に合流することになるが、習熟度を確認するための試験を受けなければならない。
スイス社会民主党のピエール=アラン・フリデス議員は、ラジオ・テレビジョン・スイス(RTS)のインタビューで、「必要なのは理論ではなく、実践だ。車両や武器との接触などのようなものだ。目の前に戦争があるわけではないことは皆が認めるものであって、(コロナ収束まで)待っていてもよかったのではないかと思う。」とコメントしている。
スイス日刊紙『ル・マタン』によると、国の柱と見なされているスイス軍は、民兵のように組織されており、入隊者は、最初の年に少なくとも4ヶ月の軍事訓練を受け、その後毎年3週間の訓練を受けるようになっている。
今年は、軍隊での新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、民間医療従事者を支援するために派遣される予定のある、より緊急性が高い新米「医療兵」を含む第一陣のみが18日から兵舎に入る。しかし、残りの入隊者は初めの三週間、自宅からリモートで学ぶことになる。
リモート学習の兵役に対し、スイス国内では「ソファーからの戦争は一体いつ起こるのだろうか?」という皮肉の声や、「兵役はeラーニングでは代替できない実用的で社会的な性格を持っている」ものだと指摘する声が上がっている。
スイス軍の広報担当者は、リモート学習をしている一人一人を監視することは不可能である一方、学習システムのほうで、きちんと参加しているかどうかの確認は取れるようになっていると説明している。また、所属部隊の長官やリーダーが自宅で学習している入隊者達と連絡を取るだけでなく、困った時のための専用「ホットライン」も用意してあると述べている。広報担当者は、リモート学習の習熟度を確認する試験に「合格しない者には、休暇はあまり与えられないだろう。 」とくぎを刺している。
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