大統領・首相とも親中派のチェコでは、中国の進める「一帯一路経済圏構想」に基づく同国エネルギープロジェクトが中国側都合で突如頓挫したことから反中派が勢いを増し、昨年夏には同国No.2の上院議長を団長とする総勢90名の使節団が訪台する程であった。しかし、欧州連合(EU)加盟国ながら新型コロナウィルス(COVID-19)ワクチンが容易に確保できていない同国としては、EU未認可を無視してロシア、中国製ワクチン手当てを着々と進めているハンガリーを見習うべく、チェコ首相がロシア及び中国製ワクチン手当てに走り出そうとしている。
2月5日付米
『AP通信』:「チェコ首相、ハンガリーを訪問してロシア、中国製ワクチン手当て方策を相談」
チェコは、EU保健当局(欧州医薬品庁)未認可のロシア及び中国製COVID-19ワクチンについて、EU加盟国でありながらいち早く手当てしたハンガリーに倣って、当該ワクチン獲得に走り出そうとしている。
同国のアンドレイ・バビシュ首相(66歳、ポピュリズム政党のANO2011党首、親中派)が2月5日に表明したもので、同日にハンガリーを訪問してビクトル・オルバーン首相(57歳)と会談した後の記者会見で、ハンガリーが既に手当てしたロシア製ワクチンのスプートニクⅤ及び中国シノファーム社製ワクチンに関わる情報提供を受けて、同国としてもこれらワクチン獲得に動き出すと表明した。...
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2月5日付米
『AP通信』:「チェコ首相、ハンガリーを訪問してロシア、中国製ワクチン手当て方策を相談」
チェコは、EU保健当局(欧州医薬品庁)未認可のロシア及び中国製COVID-19ワクチンについて、EU加盟国でありながらいち早く手当てしたハンガリーに倣って、当該ワクチン獲得に走り出そうとしている。
同国のアンドレイ・バビシュ首相(66歳、ポピュリズム政党のANO2011党首、親中派)が2月5日に表明したもので、同日にハンガリーを訪問してビクトル・オルバーン首相(57歳)と会談した後の記者会見で、ハンガリーが既に手当てしたロシア製ワクチンのスプートニクⅤ及び中国シノファーム社製ワクチンに関わる情報提供を受けて、同国としてもこれらワクチン獲得に動き出すと表明した。
その際、同首相は、“ワクチンは政治問題が伴うものではなく、安全が第一”だとした上で、“どの国で生産されたかは関係なく、安全である限り、国民の健康確保のために可能な限り多くのワクチンを手当てする意向”だと言及した。
両首脳は、EUのワクチン政策の遅滞を非難しており、EUから割り当てられるのを待つことなく、自国の努力でワクチン手当てをする重要性を強調している。
ハンガリーは今年1月、スプートニクⅤワクチンを認可し、2月2日現在で既に4万回分を受領済みであり、また、シノファーム製も先週認可している。
バビシュ首相はハンガリー訪問前、同国のCOVID-19感染状況が悪化している上、死者が1万7千人近くに上っていることから、政府として至急対策を打つ必要があると訴えていた。
なお、同首相は2月16日、ハンガリーと同じくロシア製ワクチンを手当て済みのセルビアを訪問し、そこでも同ワクチンに関わる情報を得る意向である。
同日付ロシア『ロシア・ヘラルド』紙(『新華社通信』配信):「ハンガリーのオルバーン首相、COVID-19ワクチンの可及的速やかな手当てが重要と強調」
ハンガリーのオルバーン首相は2月jo5日、同国訪問中のチェコのバビシュ首相と会談した後、COVID-19ワクチンを可及的速やかに手当てすることが最も重要だと発言した。
同首相は、両首脳会談後の共同記者会見の場で、“国民の生命を守るため、速やかにワクチン手当てをすることが最も優先される課題”だと強調した。
同首相は更に、ロシア及び中国製ワクチンはセルビアで既に接種が進められており、同国もセルビアから情報を入手して、同ワクチン導入・接種の手当てを急いでいると付言した。
バビシュ首相も、“ワクチンは政治問題化されるべきではなく、安全である限りどこの国で生産されたワクチンでも、国民の健康維持のために至急手当てしたい”と強調している。
(参考)2月6日午後1時半現在の上記3ヵ国のCOVID-19感染状況は以下のとおり。
チェコ:感染者102万1,477人、死者1万6,976人、致死率1.7%
ハンガリー:37万3,764人、1万2,930人、3.5%
セルビア:40万4,668人、4,085人、1.2%
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