露英字新聞
『モスクワタイムズ』によると、昨年、ロシアは307億ドル(約3兆3537億円)相当の農産物を海外に販売した。7,900万トンの穀物、肉、魚、野菜、乳製品、その他の製品を世界中に出荷した。いずれの数字もポストソ連時代の新記録であり、国内での豊作と世界的な食糧価格の上昇に後押しされたものである。収益は2019年に比べて20%増加し、食品の輸入額は297億ドルであったため、2020年にロシアは農産物の純輸出国となった。
穀物は依然としてロシアの輸出構成の中で最大の割合を占めており、重量ベースでは海外に輸出される農産品の半分以上を占め、全収益の3分の1をもたらした。昨年のロシアの穀物収穫量は、史上2番目の多さだった。
最も増加したのは肉類の輸出で、主に中国からの需要が増加したことで、前年比49%増の総額9億ドル(約983億円)を記録した。なお、ロシアの最大の農産物輸出先は中国が1位で、売上高の13%を占め、次いでトルコが10%、カザフスタンが7%となっている。ロシアは合計で150カ国に農産物を輸出した。
ロシアの農業部門は、ソビエト連邦初期から地政学的、安全保障的、経済的に重要な役割を果たしてきた産業であり、近年、プーチン大統領の主要な経済目標の一つとなっている。
大統領は、野心的な経済開発目標に基づき、今後3年間でロシアの農産物輸出量をさらに50%増加させたいと考えている。その一方で、ロシア経済誌「RBC」は、専門家達が数年以内の劇的な輸出量の増加は期待できないと予想していることを報じている。これには、価格が急速に上昇する中で、食料の供給過剰分を国内にとどめようとしているロシア政府が最近、農産物輸出に対する増税を行っていることが理由として挙げている。
露メディア『ロシアトゥデイ』や『スプートニク』によると、すべての主要品目で輸出量が増加したものの、魚介類は新型コロナウイルスのパンデミックによる価格の下落により、2.1%の減少となった。また、食品加工業の輸出も5.1%減となった。
ロシアの主要な農産物購入国は、中国、トルコ、カザフスタン以外に、エジプト、韓国、アゼルバイジャン、ウクライナ、パキスタン、ウズベキスタン、モンゴルなどが挙げられる。
閉じる