【Globali】
米ボーイング、コロナ禍後の航空機受注大幅増も欧州エアバスには4年連続敗退【欧米メディア】
昨年12月の報道どおり、エア・インディア(1932年前身設立)は500機、また、ユナイテッド航空(UA、1926年設立)も200機のジェット機を各々新規発注すると発表していて、いよいよコロナ禍後の航空産業再興が期待される。しかし、この程判明した2022年実績によると、米ボーイング(1934年設立)の新規受注が大きく伸びたものの、ライバルの欧州エアバス(1970年設立、仏・独・英・西の共同事業体)には4年連続で後塵を拝することになっている。
1月11日付
『ロイター通信』は、「米ボーイング、新規受注大幅増も4期連続で欧州エアバスに敗退」と題して、コロナ禍後の航空産業再興の期待もあって、米ボーイングが大幅に新規受注を伸ばしているが、米中対立の煽りを受けて中国市場向けが低迷していることより、ライバルに大きく後れを取っていると報じている。
米ボーイングは1月10日、2022年の航空機新規受注が大幅に伸びたと発表した。
しかし、米に次ぐ大市場の中国向けが伸び悩んでいることから、4期連続で欧州エアバスに敗退している。...
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1月11日付
『ロイター通信』は、「米ボーイング、新規受注大幅増も4期連続で欧州エアバスに敗退」と題して、コロナ禍後の航空産業再興の期待もあって、米ボーイングが大幅に新規受注を伸ばしているが、米中対立の煽りを受けて中国市場向けが低迷していることより、ライバルに大きく後れを取っていると報じている。
米ボーイングは1月10日、2022年の航空機新規受注が大幅に伸びたと発表した。
しかし、米に次ぐ大市場の中国向けが伸び悩んでいることから、4期連続で欧州エアバスに敗退している。
すなわち、ボーイングの2022年実績は、480機納入・774機新規受注であったが、エアバスは661機納入・1,078機新規受注という結果となっている。
特に、中国市場向けでは、ボーイングの納入数が僅か8機と、エアバスの100機以上の納入に比べて10分の1以下となっている。
更に、新規受注においても、昨年7月に中国“三大航空会社”がエアバスA300(ワイドボディ機)292機の購入を決定しているものの、ボーイングは9月、主力のB737MAX(注1後記)100機余りの売り込みを開始するとするに止まっていた。
ジーナ・レモンド米商務長官(51歳、2021年就任)は2021年、(米中対立のためか)中国政府が国内航空産業にボーイング機を購入しないよう圧力をかけていると非難している。
ボーイングのデーブ・カルフーン最高経営責任者(65歳、2020年就任)は、中国向け新規受注の拡大に期待したいが、“中国における事情がどのように変化するのか、予測するのは本当に難しい”とコメントしている。
一方、同社は公式に、昨年末現在の受注残が4,578機に上り、うち3,628機がB737MAXだと認めている。
ボーイング民間航空機部門のスタン・ディール社長(2019年就任)は、B737の生産を安定させ、またB787(注2後記)の納入再開を果たすべく最善を尽くしていると表明した。
なお、ジョー・バイデン大統領(80歳、2021年就任)は先月、同社で最も多く売れているB737MAX仕様のうちのMAX7及びMAX10について、新規操縦室警報装置に関わる安全基準を12月27日期限で設定するとの措置を解除すると定めた法律に署名している。
この結果、ボーイングとしては、同2機種を計千機以上も受注していることから、生産・納入に拍車がかけられると期待している。
(注1)B737MAX:第4世代の小型ナローボディ機で、2017年運用開始、座席数約200席。2018年10月にインドネシア・ライオン航空のジャワ沖墜落事故、及び2019年3月のエチオピア航空の墜落事故が立て続けに発生。米連邦航空局(FAA、1958年設立)から運用中の約250機に緊急改善通告がだされたこともあって、ボーイングは2020年1月以降生産停止。ただ、問題が改善されたとして同社は同年5月に生産再開。
(注2)B787:次世代の長距離用中型ワイドボディ機で、2011年運用開始、座席数は最大約300席。B767(中型セミワイドボディ機、1982年運用開始)及びB777(大型ワイドボディ機、1995年運用開始)の後継機。
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中国軍の台頭抑止で日米同盟強化
日米は11日、岸田総理の訪米に向けた外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で、敵基地攻撃力運用での協力で一致した。一方、米国防長官は、台湾周辺の軍事活動は中国の侵攻兆候との見方に否定的見方を示している。
1月12日付
『ロイター通信』:「中国軍事活動、台湾侵攻兆候との見方に疑問」:
ロイド・オースティン米国防長官が11日、台湾周辺での中国軍事活動の台湾侵攻への深刻な兆候との見方に疑問を呈した。
オースティン氏は、ブリンケン米国務長官と日本の代表との共同会見で、「海峡での航空活動の増加や台湾周辺での水上艦の活動増加が見られるが、それが侵攻が差し迫っていることを意味するかについては非常に疑問視している」と述べた。...
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1月12日付
『ロイター通信』:「中国軍事活動、台湾侵攻兆候との見方に疑問」:
ロイド・オースティン米国防長官が11日、台湾周辺での中国軍事活動の台湾侵攻への深刻な兆候との見方に疑問を呈した。
オースティン氏は、ブリンケン米国務長官と日本の代表との共同会見で、「海峡での航空活動の増加や台湾周辺での水上艦の活動増加が見られるが、それが侵攻が差し迫っていることを意味するかについては非常に疑問視している」と述べた。
11日付米『VOA』:「中国軍の台頭抑止で日米同盟強化」:
11日、日米は南シナ海や台湾周辺へ進出する中国を阻止するための戦略的挑戦と計画行動を行うことで一致した。これらの行動には、沖縄基地の米海兵隊再編や、宇宙及び軍事技術での協力合意が含まれている。
中国が台湾海峡において「ニューノーマル」を作り出そうとしている一方、オースティン米国防長官は、これが台湾侵攻に差し迫った脅威と同格とみなすことはできないとし、「中国は数十年にわたり維持されてきた平和と安定を崩そうとしているが、我々は静かに断固としたアプローチを継続していく」としている。
11日の共同声明で、日米はより高度な反撃能力の保有にむけたインド太平洋における軍事強化として、2025年までに沖縄に新たに第3海兵隊沿岸連隊をおき、艦船攻撃能力などの向上を図るとしている。
米戦略国際研究センターの最新報告書では、「台湾有事の際、米国が日本の基地を使用できなければ戦闘活動は行えない」としている。
日本は、日米の戦略協力強化として、今後5年間で軍事予算をおよそ倍増し、初めて他国を標的とするミサイルを配備する国家安全保障戦略を打ち出しており、英国とも軍事協定を結んでいる。
12日付ロシア『スプートニク』:「米国防長官:中国軍船活動は台湾侵攻危機との見方に疑問」:
オースティン米国防長官は会見で、台湾周辺で中国の海軍活動が増加したことが侵攻の兆候であるとの見方に疑問を呈した。
台湾情勢は、米国のペロシ前下院議長が昨年8月に台湾を訪問して以来、ここ数ヶ月緊張状態が続いている。
日本は北朝鮮の核開発の進展や中国の軍事増強にともない、安全保障能力の強化に乗り出している。
先月日本メディアは、反撃能力の強化計画を報じた。今後五年で、防衛能力開発のため380億ドルの予算を投じるとされる。
日米は、安全保障に関し中国との対話を続けていくとしている。林外務大臣は、「中国と建設的で安定した関係を築くことが重要」だとし、数週間後に中国を訪問予定のブリンケン米国務長官は、「日米は中国と複雑かつ重要な関係にある」としている。
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