世界の人々の意識の中で、カナダは‘緑に恵まれた国’として定着しているが、カナダの原油や天然ガスの輸出や人口当たりのカーボンフットプリントが世界で最も高いことなどによりカナダが気候温暖化対策での模範生から程遠い一面を持っている。
これまでカナダは動植物種の保護に関して先進的で、特にケベック州では数十年前から景観や地域の固有の動植物の保護に努めてきた。それにも関わらず、
2022年10月に世界自然保護基金WWFは北米大陸における生物多様性が過去40年間で20%低下したことを警告している。...
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世界の人々の意識の中で、カナダは‘緑に恵まれた国’として定着しているが、カナダの原油や天然ガスの輸出や人口当たりのカーボンフットプリントが世界で最も高いことなどによりカナダが気候温暖化対策での模範生から程遠い一面を持っている。
これまでカナダは動植物種の保護に関して先進的で、特にケベック州では数十年前から景観や地域の固有の動植物の保護に努めてきた。それにも関わらず、
2022年10月に世界自然保護基金WWFは北米大陸における生物多様性が過去40年間で20%低下したことを警告している。カナダのケベック州での次の動植物種も警告対象になっている。
すなわち、カナダトナカイ、シロイルカなどの特徴的な動植物種に加えて森林ガメ、大西洋岸クロクジラ、バターナッツの木の生態系の存続が危ぶまれている。さらにその他、数百種類の動植物種が減少しているという。ケベック州に生育する動植物のうち、2/3が絶滅の危機に直面しているという。
カナダトナカイは、森林伐採と都市化の広がりにより生育環境が狭められ絶滅の危機にさらされているという。最近の調査では森林トナカイが7頭、北部に生息する山岳トナカイが36頭の生息が確認されているに過ぎないという。
ケベック自然保護プロジェクト責任者、ナド―・フォルティン氏によると「カナダトナカイは生息地域の食物連鎖の頂点に立つ動物で、これを保護することと同時に生態系ピラミッドの下位の’カワウソ‘などの小動物も傘を広げるように保護することが必要である。」と語った。
なお、自然保護プロジェクトでは、一刻も早くカナダトナカイの生育する3地域に広域保護区を設ける運動を行い、カナダトナカイの生態系を従来に近い形に回復させたいと考えている。
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