ユネスコの世界遺産登録問題で、韓国の人が言っているのは、日本が登録を申請しているものの中に、軍艦島や長崎の造船所などかつて韓国の労働者たちが働かされた場所が入っているのが良くないということ。同時にこれが韓国で重要視される理由は、日本の歴史認識に関わるようなもの、韓国側が否定しているようなものがユネスコという国際社会の中で認められてしまっていること。韓国からしたら米国や中国ならまだしも、ユネスコという公の機関が国の外交競争が負けていることの象徴のようになってしまっている。だからここは絶対に負けられないという話になっている。１つは勧告が出ているのでストップするのが難しいだろうということ。もう１つはドイツの製鉄所のようにフランスの人たちが働かされたものも登録されているので、日本の側だけに要求するのは無理があるだろうということで説明を加えてドイツの製鉄所のような形にすればいいのではないかと、少し軟着陸のための準備を始めているというのが現状。このまま登録されるだろうが、観光用の説明文の中にこういった経緯があったということを記すという落としどころになるだろう。

2015/06/16　ＢＳジャパン[日経プラス１０]