【Globali】
フランス:AIを使ったトロール網漁での漁業で不要な種類の漁獲を削減(2021/12/03)
ユーロニューズTVチャンネルによると、目的とする種類以外の漁獲を削減するため、イフレメール(IF)海洋研究所のスタッフがAI技術を活用したトロール網をフランスのブルターニュ地方ロリアン沖でテストを行っている。
国連の食糧農業機関(FAO)によると、毎年、全漁獲量の25%に相当する2000万トンが海に戻されるが漁港で利用されずに捨てられているという。
フランスの水産研究所のデータによると、魚の種類によって異なるが、イワシ漁の場合は漁獲量のうち22%が生産物として利用されず、ラングステインの場合は41%になるという。
AIトロール網は船に引き上げる前に魚の種類や大きさをより分けることが可能になれば海洋のエコシステムへの影響を最小限にできると期待されている。...
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国連の食糧農業機関(FAO)によると、毎年、全漁獲量の25%に相当する2000万トンが海に戻されるが漁港で利用されずに捨てられているという。
フランスの水産研究所のデータによると、魚の種類によって異なるが、イワシ漁の場合は漁獲量のうち22%が生産物として利用されず、ラングステインの場合は41%になるという。
AIトロール網は船に引き上げる前に魚の種類や大きさをより分けることが可能になれば海洋のエコシステムへの影響を最小限にできると期待されている。
IF海洋研究所のジュリアン・シモンによると、これまでのトロール網は巨大な‘たも網’に相当し、長時間、船の後ろで牽引するため、捕獲している魚が目的としている種類かどうかは船に網を引き揚げるまで見当がつかないという。
その対策として、IF海洋研究所は、南ブルターニュ大学(UBS)や高性能センサーの製造開発しているマルポー社や地域の漁業組合と協力してAIトロール開発プロジェクト「トロール・ゲーム」を立ち上げた。
近年、漁船は網の目の大きさや形で漁獲する魚に特化したトロール網が開発使用されているが、魚の方も網捕獲を回避するような行動を取るように適用本能を進化させているという。そのためIF研究所のエンジニアたちは、センサーネットワークと人工知能(AI)の活用によってトロール網は漁師たちに網の引き上げ時期の決定に役立てるシステムを開発した。
監視カメラと多くのセンサーと解析ロジックを駆使することで漁師たちに網に捕獲した魚の種類と大きさと漁獲量をリアルタイムで知らせることができるという。もし網にかかった魚群が目的以外の魚の場合は、トラップ開放して網から逃がすことができるという。
なお、漁師たちによれば実用化に向けては装置のコストダウンが今後の課題だという。
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