フランスのマクロン大統領は16日、国連安全保障理事会は世界的な問題に対し、有用な解決策を生み出すことが出来ていないとして国際協力メカニズムの抜本的な改革を訴えた。ボルカン・ボズクル国連総会議長も改革を求めている。
『レゼコー』は、1年前にNATOを「脳死」状態に陥っていると評したフランスのマクロン大統領が、今度は国連安保理を攻撃していると報じている。
大統領は「ル・グラン・コンティナン(Le Grand Continent)」誌のインタビューで、「国連安全保障理事会はもはや有用な解決策を生み出していないことに留意せざるを得ない。世界保健機関(WHO)など、特定の機関が多国間主義の危機の中で人質になったとき、我々すべてに共同の責任がある」と語った。...
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『レゼコー』は、1年前にNATOを「脳死」状態に陥っていると評したフランスのマクロン大統領が、今度は国連安保理を攻撃していると報じている。
大統領は「ル・グラン・コンティナン(Le Grand Continent)」誌のインタビューで、「国連安全保障理事会はもはや有用な解決策を生み出していないことに留意せざるを得ない。世界保健機関(WHO)など、特定の機関が多国間主義の危機の中で人質になったとき、我々すべてに共同の責任がある」と語った。
中国、フランス、ロシア、英国、米国の5カ国が常任理事国となっている安保理は、4月にビデオ会議を開催した以降、第二次世界大戦以来、最も深刻な健康危機である新型コロナウイルスの世界的流行について沈黙してきた。一方、アメリカのトランプ大統領は世界保健機関(WHO)が中国寄りすぎると非難し、同機関から米国を脱退させる手続きを開始した。
マクロン大統領は、こうした中「欧州政治を強化し、組織化すること」が急務であると訴えた。「協力関係を築きたいのであれば、新しい多国間主義の中で、バランスの取れた力関係の中で、つまり大国・地域間で話し合うことで決めていく、こうした協力を構築していかなければならない。」と述べた。また、米中の複占、分裂や敵対的な地域大国の再来を避ける唯一の方法は、強い欧州を通して欧州の価値観を前面に出していくことだと主張した。
「国連の人権の枠組みに馴染めない列強たちによって新しい相対主義が参りこんでおり、分断をもたらしている」と締めくくっている。
『ロシアトゥデイ』は、国連総会議長のボルカン・ボズクル氏も同様の批判を行ったと報じている。同氏は16日の国連総会主催の討論会で、安保理は「国際的な平和と安全を維持する責任を幾度となく果たすことが出来なかった」と述べた。
「安保理のメンバーの利害が対立し、拒否権が頻繁に行使されているため、安保理の有効性が制限されている」と付け加えた。「最も緊急性の高い人道的危機の中にあっても、理事会はタイムリーに、適切な対応を取っていくことが出来なかった。これは、国連の建国の原則と、平和な世界を構築するための我々の共通の努力に対する深刻な後退である」と述べた。そして、安全保障理事会の改革は「困難であると同時に不可欠な、避けて通れない急務である」と結論づけた。
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