7月4日、御茶ノ水駅の「ソラシティ」のデジタルハリウッドで4KOLYMPACは行われた。
その日私は、11時頃その会場にいた。
呼びかけ人であるデジタルハリウッド大学学長の杉山知之とデジタルAV評論家の朝倉怜士の挨拶と最新報告からその講演会はスタートした。...
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7月4日、御茶ノ水駅の「ソラシティ」のデジタルハリウッドで4KOLYMPACは行われた。
その日私は、11時頃その会場にいた。
呼びかけ人であるデジタルハリウッド大学学長の杉山知之とデジタルAV評論家の朝倉怜士の挨拶と最新報告からその講演会はスタートした。
約100人の参加者は、土曜の朝とは思えぬほどの集中力で各メーカーの講演と実演に興じていた。
各メーカーは、『色の再現性』にかなりの力を注いで、現在の4Kテレビ、そして今後の8Kテレビへの技術革新の具体的課題について展望していた。
昼休みになるのも、ほぼ午後2時近い頃だった。
午前最後の講演者は、立教大学の佐藤一彦先生だった。
「浮世絵 歌川広重・名所江戸百景」と題し、復刻版の制作に当たった現場取材を中心に全編F55のRAW方式で撮影した素材を4K映像で10分に纏め、シャープ、ソニー、東芝、パナソニック各社の80型・4Kモニターなどでその研究成果を発表した。浮世絵の復刻版そのものは流石に息を呑むような日本独特の美しさが私の感性に強烈な刺激を与えた。
昼食後になるとカメラメーカー3社(キヤノン、ソニー、パナソニック)の講演と8Kへの制作現場での問題点と展望について議論がされた。
聴衆側から、メーカー側にストレージするストレージの問題や伝送方式、その問題点やコストについて生々しい問題点が提起されていった。
カメラとテレビ受像機は何とかなりそうであるが、その中間の制作現場が使用するメモリーやアーカイバー等の問題やまだ解決されない技術に関して強烈な議論となった。
私は、その議論を聞いて、2020年まで後5年で8Kの実験放送までは漕ぎ着けるのだろうと思ったが、制作や編集、アーカイブ、2次利用などにはかなり重い負担が被いかぶさってくるに違いないとの印象を受けた。
それにしても、8Kレベルの高精細な画像の世界は、従来の映画から放送がイニシアチブを執っていくのかもしれないと感じながら帰途に着いた。
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