北朝鮮、今度は拡声器を設置か ~国内では増産・節約のよびかけ~(6月23日)
韓国に対抗して、ビラを散布するとしていた北朝鮮であるが、今度は板門店の最前線に宣伝用の拡声器を設置した模様。2018年4月の板門店宣言では、ビラ散布と共に、「(軍事境界線一帯での)拡声器放送などの敵対的行為を中止し、その手段を撤廃」するとの内容が盛り込まれおり、韓国、北朝鮮とも拡声器を撤去していた。韓国も対抗上拡声器を設置するのか、文在寅政権の対応が注目される。
一方22日の『労働新聞』は社説で、「難関を正面から突破し、社会主義建設をより活力あるものに前進させるには総ての公民が増産・節約活動にこぞって立ち上がらなければならない」と強調していた。...
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韓国に対抗して、ビラを散布するとしていた北朝鮮であるが、今度は板門店の最前線に宣伝用の拡声器を設置した模様。2018年4月の板門店宣言では、ビラ散布と共に、「(軍事境界線一帯での)拡声器放送などの敵対的行為を中止し、その手段を撤廃」するとの内容が盛り込まれおり、韓国、北朝鮮とも拡声器を撤去していた。韓国も対抗上拡声器を設置するのか、文在寅政権の対応が注目される。
一方22日の『労働新聞』は社説で、「難関を正面から突破し、社会主義建設をより活力あるものに前進させるには総ての公民が増産・節約活動にこぞって立ち上がらなければならない」と強調していた。そのなかでは、「少ない原料と資材で」とあり、経済制裁に加えて、コロナウィルス拡散防止のために1月21日から北朝鮮の貿易の9割以上を占める中国との国境も含めて国境を完全に封鎖したことにより、モノ不足が一層ひどくなっており、生産がままならないことをうかがえる。食糧も不足していると見られ、人々の不満は、韓国との緊張状態を作り出しても、治めきれない状況になっているのかもしれない。
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北朝鮮、対韓ビラ散布の準備着々(6月22日)
5月31日の脱北者団体が北朝鮮に向けて散布したビラをきっかけに朝鮮半島は緊迫の度合いを強めているが、北朝鮮は今度は韓国に向けてビラを散布しようとしている。
文在寅大統領の顔写真が印刷された韓国批判のビラはすでに1200万枚印刷され、さらに地方の印刷所などで数百万枚印刷する予定であるという。「相異なる3000個余りの風船」を準備したということで、韓国の各地に飛ばそうとしているようである。
22日の『朝鮮中央通信』は「ビラとごみ、それを収拾するのがどれほど厄介なことであり、どれほど気分が悪い事なのかを一度はっきり経験してこそ、癖が直るであろう」「膺懲報復の時刻は、いよいよ近づいてくる」と自分たちが味わった不快感を韓国にも味わせようとしていることになる。...
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5月31日の脱北者団体が北朝鮮に向けて散布したビラをきっかけに朝鮮半島は緊迫の度合いを強めているが、北朝鮮は今度は韓国に向けてビラを散布しようとしている。
文在寅大統領の顔写真が印刷された韓国批判のビラはすでに1200万枚印刷され、さらに地方の印刷所などで数百万枚印刷する予定であるという。「相異なる3000個余りの風船」を準備したということで、韓国の各地に飛ばそうとしているようである。
22日の『朝鮮中央通信』は「ビラとごみ、それを収拾するのがどれほど厄介なことであり、どれほど気分が悪い事なのかを一度はっきり経験してこそ、癖が直るであろう」「膺懲報復の時刻は、いよいよ近づいてくる」と自分たちが味わった不快感を韓国にも味わせようとしていることになる。
北朝鮮から韓国に風船でビラを散布させるわけであるから、当然北風が吹いているときとなる。ひと際冷たい北風が運ぶビラに、韓国の人々はどのような反応を示すのだろうか。ただし情報が氾濫している韓国では、北朝鮮が期待するほどの反応はなく、ごみの掃除の手間だけが増えたということにもなりかねない。
なお21日には韓国の脱北者団体が、コメをいれたペットボトルを海から北朝鮮に流す計画があったが、保留している。
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習近平訪朝1周年(6月21日)
中国の習近平総書記が訪朝して1周年になる20日、北朝鮮の『労働新聞』は署名入り論説を掲載し、伝統的な両国関係の友誼が今後とも発展し続けるだろうと述べている。
論説では、金正恩委員長が習近平総書記と平壌で対面したことで、両国関係の親交がより緊密になり、両国関係を深化・発展させる重要な契機となったとされ、また両国の党と人民が帝国主義に反対し、平和と社会主義を建設する事業のなかで、互いに血と生命を捧げながら緊密に支持、協力してきたことが強調されている。...
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中国の習近平総書記が訪朝して1周年になる20日、北朝鮮の『労働新聞』は署名入り論説を掲載し、伝統的な両国関係の友誼が今後とも発展し続けるだろうと述べている。
論説では、金正恩委員長が習近平総書記と平壌で対面したことで、両国関係の親交がより緊密になり、両国関係を深化・発展させる重要な契機となったとされ、また両国の党と人民が帝国主義に反対し、平和と社会主義を建設する事業のなかで、互いに血と生命を捧げながら緊密に支持、協力してきたことが強調されている。
2017年までは「環球時報」や「朝鮮中央通信」で非難しあっていた中朝関係であったが、昨年の習近平訪朝によってようやく党および国家関係が修復されたことになる。
ただし「人民日報」では、「労働新聞」の記事を掲載しているものの、独自の記事は掲載されていない。
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北朝鮮で何が起こっているのか(6月20日)
北朝鮮・金正恩委員長には健康不安が囁かれている。その一方で金正恩委員長が特別な仕事に専念していることも考えらる。SLBMの潜水艦の開発が行われている新浦造船所に金正恩の専用機が向かったことが確認されており、これを指揮する何か大きなことを計画している可能性も一方では囁かれている。現状では60%の割合で金委員長の健康不安説の方が有力なようだ。
妹の金与正は、兄である金委員長から新しい役割を与えられたとみられ、韓国からの脱北者のビラに過剰なまでの反応をみせ、南北共同連絡事務所を爆破した。...
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北朝鮮・金正恩委員長には健康不安が囁かれている。その一方で金正恩委員長が特別な仕事に専念していることも考えらる。SLBMの潜水艦の開発が行われている新浦造船所に金正恩の専用機が向かったことが確認されており、これを指揮する何か大きなことを計画している可能性も一方では囁かれている。現状では60%の割合で金委員長の健康不安説の方が有力なようだ。
妹の金与正は、兄である金委員長から新しい役割を与えられたとみられ、韓国からの脱北者のビラに過剰なまでの反応をみせ、南北共同連絡事務所を爆破した。金委員長には妹の他に信頼できる人はほとんどおらず、与正は妹であると同時に政治的なパートナーになっている。
この後、与正は非武装地帯DMZ、開城工業団地、金剛山観光地区に軍を配置するなど、矢継ぎ早な動きを見せている。次なる動きとして、朝鮮戦争が休戦した7月27日までの間に潜水艦発射弾道ミサイルSLBMの発射があるのではないかとも言われている。
その根拠としていくつか挙げられる。一つ目としては、17日に北朝鮮北部にある3000トン級のSLBM潜水艦の製造が行われている新浦造船所に金正恩の専用機が向かったことが確認されていること。
二つ目として以前から金正恩がSLBMの発射をほのめかしていたこと。三つ目として衛星写真から新浦造船所近くにある潜水艦用訓練センターと推定される建造物で最近、屋根の工事が完了するなど、慌ただしい動きが確認(CSIS調べ)されていることなどが挙げられる。
北朝鮮は2019年10月に、射程距離1900キロの「北極星3型」という新型SLBMを水中バージから試射することに成功しており。これを新型3000トン級潜水艦に搭載し、発射実験を行う可能性が高いとみられている。
北朝鮮の狙いは新型コロナウイルスへの対応、黒人差別反対デモ、暴露本の発刊など国内問題にかかりきりになって米国が混乱している隙をうまく突き、ひっ迫した経済状態にある北朝鮮に目を向けさせることにあるとみられる。
仮に北朝鮮がSLBMの発射実験に成功すれば、在日米軍基地やB-1B戦略爆撃機が配備されたグアムまで到達する能力があることを誇示するだけでなく、米軍に追尾される心配なしに米国本土への核ミサイル攻撃が可能となる。
識者によれば経済制裁が効いており、北朝鮮は非常に疲弊している状態にあり、新型コロナの流行で陸海空全部を封鎖していて密貿易もできないという。今まではエリートが住む街である平壌市民だけには1週間分の配給があったが、これも途絶えている。
北朝鮮政権がかろうじて首がつながっているのは、150万人の平壌市民と軍の支持を得ていたからだが、それが揺らぐ厳しい状況に置かれている。北朝鮮がいつ暴発しても不思議ではない。
トランプ大統領は17日、「北朝鮮の行動や政策はアメリカの安全保障や外交、経済に引き続き異常な脅威をもたらしている」として、この大統領令をさらに1年間、延長することを明らかにしたが、トランプ大統領と金正恩委員長の関係は悪くはないと言われている。今後の北朝鮮の動きの行方はトランプ大統領の北朝鮮への対応にかかっていると言えそうである。
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北朝鮮、韓国をさらに非難(6月20日)
南北連絡事務所を北朝鮮が爆破した翌日、爆破とその後の金与正党第一副部長の談話に対し、韓国青瓦台が「無礼」「非常識な行為」と非難したことに対し、19日の「中央通信」は「至極当然な懲罰」と題する論評を掲載した。
そこでは「この2年間を顧みろ」と「板門店宣言」や「平壌宣言」にも関わらず、米国の顔色を伺って韓国の対北朝鮮経済協力が進まなかったことに対し、不満を並べ、さらに米韓合同軍事演習が依然として行われていることを非難している。...
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南北連絡事務所を北朝鮮が爆破した翌日、爆破とその後の金与正党第一副部長の談話に対し、韓国青瓦台が「無礼」「非常識な行為」と非難したことに対し、19日の「中央通信」は「至極当然な懲罰」と題する論評を掲載した。
そこでは「この2年間を顧みろ」と「板門店宣言」や「平壌宣言」にも関わらず、米国の顔色を伺って韓国の対北朝鮮経済協力が進まなかったことに対し、不満を並べ、さらに米韓合同軍事演習が依然として行われていることを非難している。最後にはもはや「対座する必要はない」とこれ以上の南北間の話し合いを拒む言葉で締めくくられている。
一方中国外交部の趙立堅報道官は、定例記者会見の席で、米国のポンペオ国務長官と楊潔箎・中央外事活動委員会弁公室主任の会談で朝鮮半島情勢問題についての話し合いについてどう評価するとかの質問に対し、「中国は朝鮮半島問題に対しては『段階的』に、『行動対行動』の原則で政治的に解決することを主張している。また米朝間でも相互に理解しあい、半島問題で政治的解決を図る努力をするように希望している」と述べるにとどまった。
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