バクテリアに関するイギリスの最新の研究によると、帝王切開で産まれた新生児は、自然分娩の場合より腸内細菌が少なく、病院内に関係のある細菌が多く見られたという。しかしその違いは生後6~9か月には消えるという。
9月19日付米国
『CNN』は「帝王切開で産まれた赤ちゃんの腸内細菌は母親より少ない。これが重要な訳。」との見出しで以下のように報道している。
免疫システムを保つため人は多くのバクテリアを持って生まれてくる。健康維持に関連する腸内細菌について、自然分娩と帝王切開の新生児では違いがあることがロンドン大学の新たな研究から分かった。自然分娩の方が腸内細菌が多くみられ、帝王切開だと病院内の細菌がより多く見られたという。...
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9月19日付米国
『CNN』は「帝王切開で産まれた赤ちゃんの腸内細菌は母親より少ない。これが重要な訳。」との見出しで以下のように報道している。
免疫システムを保つため人は多くのバクテリアを持って生まれてくる。健康維持に関連する腸内細菌について、自然分娩と帝王切開の新生児では違いがあることがロンドン大学の新たな研究から分かった。自然分娩の方が腸内細菌が多くみられ、帝王切開だと病院内の細菌がより多く見られたという。しかしこの違いは離乳までになくなるという。
帝王切開により増えたバクテリアは「日和見病原菌」と呼ばれ、健康な人にもあるが、免疫システムが崩れたり細胞内や血管に入ると、病気を引き起こす菌。長期的な影響については未解明。
これ以前の研究では、帝王切開で産まれた場合、ぜんそくや炎症性大腸炎などのアレルギー反応の危険が高くなるとされてきた。帝王切開の場合病院関連菌をより多く持っており、又抗体薬耐性を持つ確率が高くなったという。これは血液感染を起こす菌と同じだと判明したという。
現在イギリスでは帝王切開の場合、母体感染を防ぐため抗生物質が使われる。このことから、新生児も胎盤を通し抗生物質を受け取っていると言える。しかし多くの場合帝王切開で命が助かるため、この研究結果でやめるべきではない。
同日付英国『インティペンデント』は「帝王切開で産まれた赤ちゃんは院内細菌を多く持つとの研究結果」との見出しで以下のように報道している。
雑誌ネーチャーに掲載された新生児のバクテリアに関する最新の大きな研究によると、帝王切開で産まれた場合、自然分娩の場合と比べ、腸内殺菌に違いが生じるとの研究結果は、一部の子どもが免疫システムが弱くなることの理由を示すもの。自然分娩の場合、母体の細菌を多く持つが、帝王切開の場合院内環境に関連した細菌を持って生まれるという。
同研究によると、自然分娩の新生児では健康によい腸内殺菌がより多くみられた一方、帝王切開の場合、院内で感染する事の多い危険因子となる細菌が見られたという。
しかし、その違いも生後1年経たず消えてしまうという。新生児の腸内細菌の役割は不確かで、出産時の違いがその後影響があるかは未解明である。この結果により帝王切開を控える必要は全くないという。
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