2019年に避難民となった人は過去最多の約7950万人(2020/06/19)
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は18日、最新のUNHCR年次報告書を発表した。報告書によると、2019年に戦争、迫害、または差別から居住地を追われた人々の数は7950万人を超え、難民の数は10年でほぼ倍増した。また、新型肺炎の世界的流行のために避難生活が悪化しているという。
仏紙
『ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)』によると、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の70年の歴史の中で、これほどの数字は見たことがないという。2018年には7080万人だった難民数が、1年間で約900万人近く増え2019年末には7950万人以上となった。約4110万人だった10年前からは、ほぼ2倍に増えている。これは、97人に1人、世界人口の約1%が難民生活を余儀なくされていることに等しい。...
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仏紙
『ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)』によると、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の70年の歴史の中で、これほどの数字は見たことがないという。2018年には7080万人だった難民数が、1年間で約900万人近く増え2019年末には7950万人以上となった。約4110万人だった10年前からは、ほぼ2倍に増えている。これは、97人に1人、世界人口の約1%が難民生活を余儀なくされていることに等しい。
仏紙『レゼコー』によると、UNHCRは、避難民の間の未成年者が3000万から3400万人いると見ており、全体の約40%にのぼることを指摘している。そのうちの数万もの未成年者は保護者のいない状態だという。
避難民の85%は開発途上国で難民生活を送っており、10人のうち8人は食糧不安、深刻な栄養失調、気候変動のリスク、自然災害に苦しんでいる地域に住んでいる。
仏紙『ルフィガロ』は、7,950万人の避難民のうちの3分の2以上(68%)は、シリア(660万人)、ベネズエラ(370万人)、アフガニスタン(270万人)、南スーダン(220万)とビルマ(110万)の5つの国の出身者であることを報じている。
また地域の紛争が長期化することで、やむを得ない避難生活がほとんどの場合数年以上続き、2019年に故郷に戻ることが出来たのは30万人にとどまるという。
近年は政治的、経済的危機に加え、例えば西アフリカ地域での干ばつ、食糧危機、アルカイダやイスラム国家によるテロ行為など、複数要因の組み合わせで住民が避難を余儀なくされており、難民問題の解決が困難になっている。
更には今年に入り、新型肺炎の世界的流行により、難民にとって健康の危機と、特に社会経済的問題が加わった。多くの地域で、難民は仕事を失い、多くの人は収入が減り、1日あたりの食事の数を制限して対応せざるを得ない状況にあるという。
UNHCRフランスの報道官は「新型肺炎は世界の人々がいかに相互につながっているかを示した。一人の人を守るために、みんなも守られなければならない。難民のための解決策を見つけるために必要なのはこの結束だ」とコメントしている。
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仏で燃料価格高騰に抗議する大規模デモが発生、マクロン大統領の支持率は25%に低下(2018/11/19)
フランスの各地で17日、燃料価格の高騰や自動車燃料税の増税に対する大規模な抗議デモが行われた。
『AFP通信』や
『テレグラフ』などのメディアによれば、「黄色いベスト」運動と呼ばれるこの抗議活動には、全国で約28万3,000人が参加したが、参加者1名が車に引かれて死亡し、227人が負傷した。
仏内務省によると、17日には全国の環状交差点や主要高速道路、幹線道路など2,000カ所以上で28万3,000人近くの人が抗議活動に参加し、道路を遮断して通行を妨害するなどしたが、227人が負傷、内警察官1人を含む7人が重傷を負い、117人が拘束された。
抗議活動の殆どが事故なく行われたが、車の運転手がデモ参加者に立ち向かったり、封鎖された道路を突破しようとしたりして争いが起きた場所もあった。...
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仏内務省によると、17日には全国の環状交差点や主要高速道路、幹線道路など2,000カ所以上で28万3,000人近くの人が抗議活動に参加し、道路を遮断して通行を妨害するなどしたが、227人が負傷、内警察官1人を含む7人が重傷を負い、117人が拘束された。
抗議活動の殆どが事故なく行われたが、車の運転手がデモ参加者に立ち向かったり、封鎖された道路を突破しようとしたりして争いが起きた場所もあった。東部のサヴォワ地域では、娘を医者に連れて行こうとした母親が、デモ参加者に車を囲まれ屋根を叩かれるなどしてパニックとなり、車を急発進させたため、63歳の女性が死亡する事故が発生した。
首都パリでは、大統領官邸であるエリゼ宮へと行進しようとシャンゼリゼ通りやコンコルド広場に集まった数百人のデモ参加者らが、「マクロン、辞めろ!」と叫んだり、フランス国家「ラ・マルセイエーズ」を歌ったりしていた。機動隊が催涙ガスを使い、進路を塞いだため、結局デモ隊はエリゼ宮には近づけなかった。
参加者が道路工事などの際に使用する安全ベストを着用していることから、デモは「黄色いベスト」運動と呼ばれている。ソーシャルメディアなどを通じて自然発生的に行われているもので、特定の主催者はいないという。大規模なデモは、マクロン政権下で2000年代初め以来の高値となっている燃料費などにより、購買力が停滞していることに対する国民の不満の広がりを示した。来年1月には、さらに燃料税の増税が予定されている。
『AFP通信』によれば、国民の不満はマクロン大統領自身にも向けられており、18日に仏日曜紙「ジュルナル・デュ・ディマンシュ」に掲載された調査会社Ifopによる世論調査の結果では、11月の大統領の支持率は、前月から4ポイント減の25%にまで低下した。
同調査では、マクロン大統領の仕事ぶりに「非常に満足」とした人は僅か4%で、21%が「概ね満足」と回答した。一方、「概ね不満」は34%、「非常に不満」は39%と、不満と回答した人は7割を超えている。
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