米・ロシア・アジアメディア;安倍首相、アフリカ開発会議の次は対ロシア交渉(2016/08/31)
8月29日付
Globali「安倍首相、アフリカ開発会議を仕切る」の中で触れたとおり、安倍首相は、日本が主導し、アフリカ諸国の首脳が参加する第6回アフリカ開発会議(TICAD)について、アフリカでも影響力を増す中国との差別化を図るため、陣頭指揮を執って同会議に臨んでいる。一方、何かと日本への対抗意識を剥き出しにする中国は、安倍首相が、中国を貶めるために南シナ海問題を念頭にした海洋安全保障問題を挙げ、更には、国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指すために国連安保理改革問題を持ち出すなど、私利私欲のために国際会議を利用した、と酷評した。しかし、かかる批判もものともせず安倍首相は、8月30日付【
時流;9/2の日ロ首脳会談の狙い】でも触れられているとおり、精力的に次なるターゲットのロシア対策に向かっている。なお、直近の世論調査では、安倍首相の任期の2018年を越えて、2020年東京オリンピックまで首相の地位に留まることを6割以上が望む結果が出ている。
8月30日付米
『ロイター通信米国版』:「プーチン氏の訪日は安倍氏との会談で決定か」
「●菅官房長官は8月30日、プーチン大統領の訪日は、今週末の安倍首相との会談で最終決定されようと発表。
●安倍首相は、9月2~3日にウラジオストックで開催される極東経済フォーラムに出席するが、その機会にプーチン大統領と会談予定。
●安倍首相は2012年12月に就任以来、数回にわたりロシアを訪問しているが、プーチン大統領はその間一度も訪日せず。...
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8月30日付米
『ロイター通信米国版』:「プーチン氏の訪日は安倍氏との会談で決定か」
「●菅官房長官は8月30日、プーチン大統領の訪日は、今週末の安倍首相との会談で最終決定されようと発表。
●安倍首相は、9月2~3日にウラジオストックで開催される極東経済フォーラムに出席するが、その機会にプーチン大統領と会談予定。
●安倍首相は2012年12月に就任以来、数回にわたりロシアを訪問しているが、プーチン大統領はその間一度も訪日せず。
●プーチン氏は、2014年に訪日計画があったが、ロシアのクリミア半島併合問題に対する欧米諸国の対ロシア経済制裁に日本が加わったことから、訪日を急きょ中止。
●菅氏は、北方領土問題が両国間に横たわっているが、日ロの経済協力強化という“新しいアプローチ”が重要だとコメント。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「日本、北方領土問題で進展なくとも日ロ協力に邁進」
「●
『共同ニュース』は8月30日、日本政府は、北方領土問題の解決なくば経済協力はないとのこれまでのスタンスを改め、領土問題を絡めずに両国間の経済協力強化について深掘りする意向と報道。
●日ロ両国は、北方領土帰属問題で主張が真っ向から対立しており、第二次大戦後の平和条約が唯一未締結。」
8月29日付アジア
『オアナ・ニュース(アジア太平洋通信社機構)』(
『イタル・タス通信』記事引用):「日本政府、日ロ首脳が極東経済フォーラムの場で会談予定と発表」
「●菅長官は、両首脳間では、経済協力、プーチン氏の訪日、更には平和条約締結に向けての両国間の関係等、幅広い話題につき協議予定とコメント。」
一方、8月28日付米
『ロイター通信米国版』:「世論調査の結果、安倍首相が2020年東京オリンピック開催時まで留まることを望む人が過半数」
「●8月26~28日に行われた日経ビジネスの世論調査の結果、安倍内閣の支持率が62%と、直近2年で初めて60%越え。
●更に、安倍首相が、自民党総裁の任期(2期6年が限度)である2018年9月を越えて、2020年東京オリンピック開催時まで首相に留まることに60%以上が賛成。
●今月初めの調査より大幅アップしたことについて専門家は、多分にリオデジャネイロ・オリンピックでのメダル量産(金12個含め41個のメダル獲得)結果と、安倍首相がスーパーマリオに扮して同閉会式に出席した演出が効いたものとコメント。
●ただ、安倍首相が推進している“アベノミクス”と称される大胆金融政策には賛否が分かれ、特に日銀のマイナス金利政策は47%が評価せず。」
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東芝がようやく2015年3月期決算を発表(2015/09/09)
9月7日付
『ニューヨークタイムズ』紙はロイター電として、東芝は直近の事業年度で純損失を計上するとともに大胆な改革の実施を誓約し、ようやく130億ドルの決算スキャンダルを乗り越えようとしていると報じた。当期の決算発表は会計上の不備により2回延期され、最終期限までに決算書が提出されない場合には、上場廃止の可能性もあった。
東芝は2015年3月期決算について、378億円の純損失を計上した。当初5月時点では1200億円の純利益予想であったものを不適切会計問題により撤回し、見直したものである。...
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9月7日付
『ニューヨークタイムズ』紙はロイター電として、東芝は直近の事業年度で純損失を計上するとともに大胆な改革の実施を誓約し、ようやく130億ドルの決算スキャンダルを乗り越えようとしていると報じた。当期の決算発表は会計上の不備により2回延期され、最終期限までに決算書が提出されない場合には、上場廃止の可能性もあった。
東芝は2015年3月期決算について、378億円の純損失を計上した。当初5月時点では1200億円の純利益予想であったものを不適切会計問題により撤回し、見直したものである。資産価値について、南テキサスプロジェクトの事業価値をより保守的に評価したことなどが影響している。一方、米国を拠点とするウェスティングハウスの原子力事業については、繰延税金資産の取り崩しは必要ないとしている。
また、同社は2009年3月期以降、合計1550億円の利益の水増しがあったと公表した。
東芝は7月の会計調査で、ガバナンスの機能不全と従業員が上司に反対しにくい企業風土が指摘され、田中久雄社長をはじめ数名の取締役が辞任した。室町正志新社長は、年末までに半導体、パソコン、テレビ事業の再建計画を公表すると約束し、買収によるヘルスケア事業の拡大について再検討する意向を明らかにした。
9月7日付
『RTTニュース』は、東芝の不適切会計を調査する第三者委員会は、同社が過去7年間に1518億円の営業利益の水増しを認定したと報じる。2015年3月期は、前年602億円の純利益から378億円の純損失に転じ、1株当り損失は8.93円となった。
東芝は当期1株当たり4円の中間配当をおこなったが、決算報告が遅れたことにより期末配当は実施しない。また、2015事業年度については、不適切会計の影響を見極めるため、現時点では業績予想を開示しない。配当については中間配当を見送り、期末配当は未定としている。同ニュースは「日経ビジネス誌」の情報として、東京証券取引所が、東芝を9月下旬に“取引注意銘柄”に指定するとともに、約9千万円の制裁金を課すと報じている。
9月7日付
『ブルームバーグ・ビジネス』は、東芝が本年度決算で純損失を計上し、過去6年の業績の訂正を発表する一方、投資家の信頼を取り戻すため大胆な事業再構築を計画していると報じた。同社は、資生堂の前田新造前社長を会長に指名し、取締役を16名から11名に減らし、半数以上を社外取締役とする予定である。また、非現実的な目標を管理職に強いる企業風土の改革に乗り出すとともに、監査委員会の監視機能を強化する。政府の菅官房長官は、東芝が正しい情報開示をおこなわなかったことは大きな問題であり、今後も不適切会計の調査を継続すると述べた。金融財務当局は、同社が利益を水増し発表した期間に合計約1兆円の増資と社債を発行したことを調査しており、今後課徴金を命じられたり訴訟が起きる恐れがある。東芝は、当期決算で制裁金として84億円を引き当てている。
三菱UFJモルガンスタンレー証券のアナリストは「株価は悪材料を全て折り込んでいるが、東芝のバランスシートリスクは十分には解消されていない」と懸念を示している。
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