フランス、DV殺害で3日に1人が犠牲に。政府が対策発表。(2019/09/05)
2019年1月以来、フランス国内では夫または元夫からの暴力によって101人の女性が命を落としている。101人目の犠牲者は9月1日に命を落としており、3日に1人の割合で女性が犠牲となっている現状に国内で怒りが沸き起こっている。9月3日から11月25日までの3ヶ月の間、DVに関する会合がフランス各地で行われる予定となっており、初日の3日にはエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相が、閣僚、市民団体代表や警察、裁判官や弁護士らとの全体会議を開き、様々な緊急措置を発表した。
『20minutes.fr』によると、フィリップ首相は緊急対策として、まず500万ユーロ(約5億3200万円)を投入し、2020年1月より避難所や緊急宿泊施設に新しく1000人収容できるようすすめていくと発表した。避難所に新しく250人、緊急宿泊施設には750人を受け入れることが可能になる。
また、11月25日からは被害者は手当てを受けている病院で告訴の手続きができるようにするとも発表した。...
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『20minutes.fr』によると、フィリップ首相は緊急対策として、まず500万ユーロ(約5億3200万円)を投入し、2020年1月より避難所や緊急宿泊施設に新しく1000人収容できるようすすめていくと発表した。避難所に新しく250人、緊急宿泊施設には750人を受け入れることが可能になる。
また、11月25日からは被害者は手当てを受けている病院で告訴の手続きができるようにするとも発表した。
また『RFI』によると同首相は、女性への接近防止のために、有罪判決を受ける前の段階から男性に監視用ブレスレット装着の命令を下すことが可能になる法案や、父親が妻や元妻らを暴行したり脅したりしている場合、父親の親権の停止や面会交流権を差し止める権限を裁判官に与えるなどの法案も提案した。
『AFP』によると、被害者支援団体は、現在5000人しか受け入れることができない避難所や宿泊施設に、新たに2000人分の収容能力を求めており、1000人分増ではまだ足りないと見ている。また、学校での性に基づく暴力防止教育の強化や専門的な司法機関の設立などを訴えている。
『20minutes. fr』によると、フィリップ首相は、被害者の受け入れ態勢を改善できるよう、400の警察署で「監査」が開始されると発表した。そして「こうした状況で正しい回答を与えるために必要なことをしていなかった」ことを認めた。 司法面では、家庭内暴力に特化した「専門検察官」が「フランスの大都市および海外フランス領の172の裁判所で」特定され、15日以内に告訴に対応できる緊急用の裁判所が試験的に導入されると発表した。
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熱波:猛暑に対処する都市改革とは?(2018/08/09)
今夏、熱波に悩まされているフランスでは、都市でどのような熱波対策が可能なのか、関心が集まっている。世界中の都市で、人口が集中し、アスファルトやコンクリートに覆われた路面やガラス張りの建物が増えていくが、今後より頻繁に起こると予想されている熱波に最も弱い場所なのである。
フリーペーパの20ミニュット(20minutes.fr)では、次のように書いている。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の科学者たちは、近年、地球温暖化の影響がすぐに感じられるであろうという様々な報告を発表している。 その中でも、熱波はより強く、より頻繁に発生すると警告している。そして、都市人口は現在世界人口の54%を占めているが、2050年には、その割合が66%に上昇すると2014年の国連報告書で予測されている。...
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フリーペーパの20ミニュット(20minutes.fr)では、次のように書いている。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の科学者たちは、近年、地球温暖化の影響がすぐに感じられるであろうという様々な報告を発表している。 その中でも、熱波はより強く、より頻繁に発生すると警告している。そして、都市人口は現在世界人口の54%を占めているが、2050年には、その割合が66%に上昇すると2014年の国連報告書で予測されている。都市での人の活動だけでなく、地面のアスファルト化によって、都市は猛暑を吸収する力が低下し、自然が残る周辺の郊外部よりも高温を招く都市高温化(ヒートアイランド現象)が深刻化することが懸念されている。
これは、冷房をかければ解決すると言う問題でもない。なぜなら、エネルギーの大量消費量を深刻化させるだけで、根本的な問題解決につながらないためだ。そのため、選択の余地はなく、都市改革が求められる。この問題に対して、建築家や都市設計家たちがすでに取り組み始めている。例えば、都心でより多くの木を植える、屋上や壁面緑化、建物や道路の表面の色を明るくする、風の道の創出など。
ニューヨークでは、2007年に開始された、100万本の木を植えるプロジェクト「ミリオン・ツリーズNYC」が2015年に達成された。ボストン、ロサンゼルス、デンバー、ロンドン、上海でもこのプロジェクトが進められている。また、パリでは、2020年までに100ヘクタール(100万㎡)の屋上や壁面の緑化が進められている。そのうちの3分の1は、野菜や果物の生産に費やされる予定だ。
他にも、ロサンゼルス(米国)では、温度を数度下げるために、黒色のアスファルトが白色でコーティングされた。
風の道の創出については、例えばドイツのシュツットガルトで、建物を建てる前に地方自治体の気象学者に事前に相談することが求められており、その他の都市でも風の道を確保することの重要性に対する意識が生まれ始めている。
現在の無機質な都市の景観は、2050年にはだいぶ変わっている可能性がある。
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