「北朝鮮労働者の受け入れ禁止は、ロシア経済にとって打撃となるだろうが、我々は国連安保理決議を誠実に履行する。多くの知事が既に送還を開始した。」と平壌に駐在するアレクサンダー・マツェゴラ大使がロシアのメディアに語った。極東地域では1万人以上が働いており、措置に反対する声があるが、外務省の広報担当も、「ロシアはこの決議に従って行動している。」と国連の制裁決議を厳格に履行するとコメントしている。
北朝鮮の核・ミサイル開発計画を巡り、国際社会は同国への圧力を強めており、国連の安全保障理事会は昨年12月、新たな制裁決議を採択した。...
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「北朝鮮労働者の受け入れ禁止は、ロシア経済にとって打撃となるだろうが、我々は国連安保理決議を誠実に履行する。多くの知事が既に送還を開始した。」と平壌に駐在するアレクサンダー・マツェゴラ大使がロシアのメディアに語った。極東地域では1万人以上が働いており、措置に反対する声があるが、外務省の広報担当も、「ロシアはこの決議に従って行動している。」と国連の制裁決議を厳格に履行するとコメントしている。
北朝鮮の核・ミサイル開発計画を巡り、国際社会は同国への圧力を強めており、国連の安全保障理事会は昨年12月、新たな制裁決議を採択した。同制裁では、海外で働く全ての北朝鮮労働者を2019年末までに送還することを定めている。また北朝鮮労働者に対する新たなビザ(査証)を発給しないことも義務付けた。
マツェゴラ大使は、ロシアは北朝鮮人に対し年間1万2,000~1万5,000人分のビザを発給し、約3万5,000人の北朝鮮労働者がロシアで働いており、主に建設や農業、漁業などに従事していると説明した。
北朝鮮は国外労働者によって、年間約5億ドル(約545億円)の外貨収入を得ていると言われており、そうした労働者は、しばしば劣悪な環境下で低賃金の苦役を強いられていると国連の特別調査委員会などが指摘している。ロシアでは今年サッカーのワールドカップが行われるが、サンクトペテルブルクのスタジアム建設に北朝鮮労働者が関わっており、現場で1人が死亡したことが昨年報じられた。
マツェゴラ大使は、ロシアで働く北朝鮮人に関しては劣悪な状況にはないと否定したが、彼らはロシア人と同等の賃金を得ているものの、その内の4割から5割だけを受領し、残りは北朝鮮政府に支払われていることを認めた。
ロシアは北朝鮮の核・ミサイル開発計画を公式に非難する一方で、貿易や交通面で同国との関係を強化してきた。昨年12月の制裁には、北朝鮮産石炭の全面禁輸も盛り込まれたが、制裁発効後も同国の石炭がロシア経由で韓国や日本に輸出されていると、先月米メディアが報じている。
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