ベルギーではこれまで、1997年のルノー工場閉鎖、2006年のフォルクスワーゲン工場閉鎖、2010年のオペル工場閉鎖、および2014年のフォード工場閉鎖、など自動車の組み立てラインの閉鎖とそれに伴う数千人規模の従業員の解雇という苦い経験を積んできている。ベルギー政府と労働組合はさらにアウディのフォーレスト工場の閉鎖がこれまでの暗い歴史に名を連ねることになることを警戒している。
3000人の従業員を抱えるフォーレスト工場は、約400人の一時雇用の従業員の解雇を発表後、2週間操業停止していたが、4月8日から操業再開した。...
全部読む
ベルギーではこれまで、1997年のルノー工場閉鎖、2006年のフォルクスワーゲン工場閉鎖、2010年のオペル工場閉鎖、および2014年のフォード工場閉鎖、など自動車の組み立てラインの閉鎖とそれに伴う数千人規模の従業員の解雇という苦い経験を積んできている。ベルギー政府と労働組合はさらにアウディのフォーレスト工場の閉鎖がこれまでの暗い歴史に名を連ねることになることを警戒している。
3000人の従業員を抱えるフォーレスト工場は、約400人の一時雇用の従業員の解雇を発表後、2週間操業停止していたが、4月8日から操業再開した。一方、、下請け会社は、70人の従業員の解雇を発表した。
このシナリオは、2006年に起こった出来事を彷彿させるものであった。この時フォルクスワーゲンはフォーレスト工場での’ゴルフ‘の生産を断念して、ドイツの2つの工場へ生産拠点を移している。この時、3200の従業員ポストが犠牲になるところであったが、翌年の2007年にはアウディの旗の下でタイプ’A1‘の生産を開始した。
なお、2018年には人気車種、アウディA1の生産はスペインに移されたが、ベルギー政府からのアウディ社への強い要請で、アウディ社としてはフォーレスト工場でハイクラスの電気自動車SUV、Q8の生産を行っていた。しかし、値段が8.5~12.5万ユーロ(=約1360~2000万円)と高価なため、ヨーロッパでは販売台数が伸び悩んでいる。アウディ社としてはコストダウンのため、近い将来、例えば2026年には生産拠点をメキシコや中国に移したいと考えている。
従って、ベルギーのアウディ社フォーレスト工場は今後、厳しいリストラの影響を受ける可能性があり、最悪の場合は工場閉鎖に追い込まれる危険性があるという。
閉じる