世界戦14勝達成・井岡一翔への元王者の謹言(4月24日)
エディオンアリーナ大阪で行われたボクシングW世界戦。WBAフライ級王者・井岡一翔は5度目の防衛戦。一方、WBOバンタム級のベルト奪取に挑む大森将平にとっては、対戦直前に思いもよらぬ予想外の事態に陥っていた。
前日計量で大森が一発クリアしたのに対し、王者・マーロン・タパレスはウェイトオーバー。再計量でも900グラムも超過し、王座を剥奪されてしまったのだ。試合自体はそのまま成立し、大森が勝利すれば新王者となるが、タパレス勝利の場合王座は空位のままとなる。...
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エディオンアリーナ大阪で行われたボクシングW世界戦。WBAフライ級王者・井岡一翔は5度目の防衛戦。一方、WBOバンタム級のベルト奪取に挑む大森将平にとっては、対戦直前に思いもよらぬ予想外の事態に陥っていた。
前日計量で大森が一発クリアしたのに対し、王者・マーロン・タパレスはウェイトオーバー。再計量でも900グラムも超過し、王座を剥奪されてしまったのだ。試合自体はそのまま成立し、大森が勝利すれば新王者となるが、タパレス勝利の場合王座は空位のままとなる。大森は想定外の展開に怒りを隠せなかった。「ちょっとイラッとしたが、僕は僕のやることをやるだけ」と冷静さを取り戻すように努めていたのだが…
試合は中盤まではお互いに積極的に打ち合う展開に。だが、両者がまぶたを出血した中盤以降は一気に手数が減ってしまう。「待ち過ぎなところが多い。勿体ないなあ」第10R、解説の元三階級王者・長谷川穂積から厳しい指摘が出た直後、ダウンを喫するとKO寸前まで追いつめられる。ここはゴングに救われたが、もう挑戦者に反撃する力は残っていなかった。11R開始早々コーナーに追い込まれTKO負け。ウェイトオーバー相手の厳しい試合ではあったが、不完全燃焼な結果となってしまったのは残念だ。
WBAフライ級は井岡が判定でタイトル防衛。世界戦の勝利数を14とし、あの具志堅用高に並んだ。しかし、こちらも長谷川から「格下相手だからガムシャラにラッシュしたらKOできた。見せる試合するのもチャンピオン」との苦言も。現役時代、真っ向勝負し続けた元王者ならではの謹言が胸に強く響いた両試合だった。
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限界に挑みきった羽生と宇野・それぞれの終演(4月22日)
国別対抗戦2日目。やはり世界王者は最後まで攻め続ける事を止めなかった。前日のSPで思わぬミスが出た羽生結弦は、史上初めてフリーの後半に3回の4回転を成功させる最高難度の賭けに成功。今季3度目の200点超えで、首位となり日本チームに高得点をもたらした。体力を限界まで絞り切った執念の挑戦だった。
そしてSP1位を取った宇野昌磨も4回転ルッツを華麗に決め、フリーでも2位を獲得。国別選手権ではSP、フリーそれぞれの順位でポイントが加算されるため、あくまで参考記録ではあるが、合計得点で初めて羽生結弦を上回ったことになる。...
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国別対抗戦2日目。やはり世界王者は最後まで攻め続ける事を止めなかった。前日のSPで思わぬミスが出た羽生結弦は、史上初めてフリーの後半に3回の4回転を成功させる最高難度の賭けに成功。今季3度目の200点超えで、首位となり日本チームに高得点をもたらした。体力を限界まで絞り切った執念の挑戦だった。
そしてSP1位を取った宇野昌磨も4回転ルッツを華麗に決め、フリーでも2位を獲得。国別選手権ではSP、フリーそれぞれの順位でポイントが加算されるため、あくまで参考記録ではあるが、合計得点で初めて羽生結弦を上回ったことになる。しかしそのことについては「特に何も思いません」といつも通りの冷静なコメント。きのう宇野はショートで1位を取りながらも、コンビネーションジャンプで安全策を取ったことをチームに詫びたという。それ程までにチーム一丸で挑む団体戦への熱い思いがあった彼にとって、フリーで予定のジャンプを全て挑みきった事の方が一番の収穫であったに違いない。「ありがとうという気持ちでいっぱい」と感謝の言葉で今季最後の滑りを総括した。
男子フリーでの高得点により単独首位で最終日を迎える日本。残るは女子シングルとペアのフリー。自己ベストを更新した勢いで三原舞依、樋口新葉が、SP1・2フィニッシュを決めたロシアのメドベデワ&ラジオノワに挑む。SPでは6位の須藤澄玲&フランシス・ブードロ・オデ組も初めての大舞台で今季最後の悔いのない演技を見せてほしい。「皆さん頑張って、というより『楽しんで』と伝えたいです」その宇野の言葉が全てだ。あす、全てのスケーターが限界に挑み続けたシーズンの闘いに幕が下りる。
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国別対抗戦開幕!・羽生結弦の発した言葉は…
今シーズンの掉尾を飾るフィギュアスケートの世界国別対抗戦。男子シングルの最終滑走者だった世界王者は、ショートプログラムの演技終了後、天を仰ぎ何事かを小さくつぶやいた。
「『ごめんなさい』と言いました。申し訳ないと」羽生結弦は記者の質問にそう答えた。最初の4回転ループは完全なジャンプミス。代々木第一体育館で固唾をのんでいた観衆が祈るように見つめる中、続く4回転サルコーでもバランスを崩して手をついてしまい、コンビネーションに繋ぐことができなかった。...
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今シーズンの掉尾を飾るフィギュアスケートの世界国別対抗戦。男子シングルの最終滑走者だった世界王者は、ショートプログラムの演技終了後、天を仰ぎ何事かを小さくつぶやいた。
「『ごめんなさい』と言いました。申し訳ないと」羽生結弦は記者の質問にそう答えた。最初の4回転ループは完全なジャンプミス。代々木第一体育館で固唾をのんでいた観衆が祈るように見つめる中、続く4回転サルコーでもバランスを崩して手をついてしまい、コンビネーションに繋ぐことができなかった。点数も自己ベストを大きく下回り、大逆転を果たした世界選手権より更に厳しいSP7位からのスタートとなった。
今季見たことのない大きなミスの連続となってしまった羽生からは、厳しい自責の言葉が口をついた。「本当、変なプレシャーを自分の中でかけ過ぎていたなというのが自分でもあって、それでもできると自分でも思っていたので。そういう意味では本当、成長していないなと」彼が自らを責める理由はそればかりではない。実はあす21日は、SPで使用曲にしている「Let‘s Go Crazy
を歌ったプリンス没後一年目の命日。天を仰いだ羽生の胸中には、人一倍、曲への思いを大切にする彼のアーティストへの謝罪の気持ちも込められていたのだ。
一方、SP1位の最高のスタートを切ったのは宇野昌磨。4回転からのコンビネーションをダブルアクセルに変更する堅実な選択で、103・53点の高得点を挙げた。女子シングルでも三原舞依と樋口新葉選手が共に自己ベストを更新だ。初日は首位発進の日本。3大会ぶりの団体優勝に向けて、フリーの演技にも期待が高まる。
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大迫傑が快挙!男子マラソン界復活の光明か?(4月20日)
かつてのお家芸で日本人男子ランナーが久々の快挙達成だ。現地時間4月17日に行われたアメリカ・ボストンマラソンで初出場の大迫傑が2時間10分28秒のタイムで3位入賞を果たした。同大会で日本人男子が表彰台に上ったのは1987年以来実に30年ぶりのこととなる。
大迫は今回が初マラソンの25歳。3000m5000メートルの日本記録保持者で、リオ五輪では5000mと1万mの日本代表として出場している。...
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かつてのお家芸で日本人男子ランナーが久々の快挙達成だ。現地時間4月17日に行われたアメリカ・ボストンマラソンで初出場の大迫傑が2時間10分28秒のタイムで3位入賞を果たした。同大会で日本人男子が表彰台に上ったのは1987年以来実に30年ぶりのこととなる。
大迫は今回が初マラソンの25歳。3000m5000メートルの日本記録保持者で、リオ五輪では5000mと1万mの日本代表として出場している。早稲田大学時代は大学駅伝3冠を達成。箱根駅伝では1区を任され、区間賞で早稲田の18年ぶりの優勝に貢献したのをご記憶の方も多いかもしれない。世界記録保持者D・キメットらトップランナーの出場した今回の大会で結果を出したことで、2020東京に向けて一躍代表候補に名乗りを上げることとなった。
奇しくも18日、日本陸上競技連盟から東京五輪に向けたマラソン日本代表の選考方針が発表された。今年の夏から2019年春に行われる陸連の指定レースで基準タイム、順位をクリアすれば選考レースの出場権を得る方式に変更。その選考レースの一発勝負で3人中2人が代表に内定する。残り1枠は2020年春までの国内指定レースでの最速ランナーが代表となる。
従来の複数の選考レースでの選考は、必ずしもタイム優先ではなく“総合的な判断“が尊重され、実績がある有名選手が選出されるなど、物議を醸したこともあった。この変革は英断だといえる。「日本のお家芸のマラソンでメダルを獲りたい、獲らせたい
と語る強化戦略プロジェクトリーダー・瀬古利彦。彼こそ30年前、ボストン大会で最後に優勝した日本人だ。大迫らが彼の魂を継ぐことを期待せずにはいられない。
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「がまだせ熊本」・立岡宗一郎と山中浩史の思い(4月19日)
今週、あの大地震発生から1年を迎えた熊本県。18日、震災以降初となるプロ野球ナイトゲームが熊本市で行われた。本来は昨年4月19日に巨人-中日戦が開催される予定だった熊本県内での公式戦。そのジャイアンツ主催試合が丸一年越しで実現した。藤崎台県営野球場には、1万3,276人の大観衆が詰めかけた。
この試合に特別な思いで挑んだ選手が両チームにいた。ジャイアンツ外野手の立岡宗一郎は熊本県南部の芦北町出身。...
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今週、あの大地震発生から1年を迎えた熊本県。18日、震災以降初となるプロ野球ナイトゲームが熊本市で行われた。本来は昨年4月19日に巨人-中日戦が開催される予定だった熊本県内での公式戦。そのジャイアンツ主催試合が丸一年越しで実現した。藤崎台県営野球場には、1万3,276人の大観衆が詰めかけた。
この試合に特別な思いで挑んだ選手が両チームにいた。ジャイアンツ外野手の立岡宗一郎は熊本県南部の芦北町出身。前日には震度7の被害を受けた益城町の飯野小学校を訪問。甲子園を目指していた鎮西高校時代は、この町にあるグラウンドで日々練習に明け暮れた思い出の地である。立岡は復興半ばの“故郷“で「試合を見せて、皆さんの力になれば」と誓いを立てた。
対するスワローズも天草市生まれ、社会人・ホンダ熊本出身の山中浩史が先発のマウンドに立った。地震発生後、自費で神宮球場に特別シートをファンに寄贈している山中。方言で頑張れという意味の“がまだせ”シートは、熊本県のアンテナショップで買い物をすると応募できるという、彼自身の発案による地元応援企画だ。
試合はジャイアンツが先発・菅野の好投で完封勝利。立岡は地元で、今シーズン初の3安打猛打賞の大活躍をみせた。お立ち台では地元からの応援への感謝を述べ、「実際に被災地を見てショックでした。こうやって野球ができる喜びを感じて精一杯頑張っていきたいと思います」と挨拶。地元ファンの大歓声を浴びた。敗れはしたものの山中も7回を投げ2失点と力投。大きな声援を受けていた。熊本の野球ファンにとっては忘れられない夢の一夜となったことだろう。
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