世界経済の行方を左右する米中首脳会談(5月18日)
(もはや後戻りできない地点まできている米中貿易戦争)
つい最近までは、米中貿易戦争と米中覇権争いを切り離して解決していく流れに向かっていたが、中国国内の対米強硬派からの声を無視できなくなった習近平国家主席が米国との約束を反故にしたからだ。具体的には米国との間で交わした知財権、補助金、強制的技術移転に関する約束を合意文書に盛り込むことを拒否したために、米中の緊張が一気に高まった。米中貿易戦争はもはや後戻りできない地点まできている。...
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(もはや後戻りできない地点まできている米中貿易戦争)
つい最近までは、米中貿易戦争と米中覇権争いを切り離して解決していく流れに向かっていたが、中国国内の対米強硬派からの声を無視できなくなった習近平国家主席が米国との約束を反故にしたからだ。具体的には米国との間で交わした知財権、補助金、強制的技術移転に関する約束を合意文書に盛り込むことを拒否したために、米中の緊張が一気に高まった。米中貿易戦争はもはや後戻りできない地点まできている。すでに中国への追加関税第3弾は発動されているが、ある試算によるとこれによって日本の国内総生産が、約0.13%落ちると想定されており、さらにトランプ政権はほぼ全ての中国製品が対象となる第4弾の内容を公表したが、これが発動されると、米国が0.55%、中国が0.36%、日本は0.22%落ちることになり、日本の国内総生産は1兆円以上落ちることになるという。米国に対して中国は6000億ドル近い輸出をしているが、その裏側には日本の対中輸出、韓国の対中輸出、台湾の対中輸出が内包されている。米国にもブーメラン効果で影響が及ぶのみならず、北東アジア地域全域も米国の制裁の対象になってしまう状態になるといっても過言ではない。
(米国が強気なワケ)
中国が約束を反故にしたということももちろんあるが、米国がこれだけ強硬な態度を打ち出してきた背景には、来年の大統領選を見据え、米国民の間で広がっている中国脅威論の流れに乗っかり、大統領選を有利に戦いたいという思惑がある。さらに米国の経済が非常によいために中国に多少強く出ても米国へのリスクは比較的少ないという読みがあるためとみられる。逆を言えばトランプ大統領は景気の動向、株価の動向、支持率の動向次第では中国に対する態度をいくらでも軟化させることもありうるが、そう簡単には良い方向には進みそうもない。
(世界経済の行方を左右するG20米中首脳会談)
厄介なのはボトルネックになっているのが知財権の問題や中国国有企業の補助金の問題といった国の体制にもかかわる構造問題であり、さらに話を複雑にさせているのが、この流れにトランプ政権がファーウェイ禁輸問題を絡めてきたことである。この問題の本質は次世代高速通信5Gにあるため、国防や国の安全保障が必然的に絡んでくる。この部分については米中双方が折り合う可能性はほとんどない。ファーウェイの年間売り上げは全部で12兆円あり、日本企業も7000億円相当の部品を納入しており、世界経済全体に大きな影響を及ぼす可能性がある。G20における米中首脳会談でまずは両首脳が米中貿易戦争と米中覇権争いの問題を切り離し、冷静に話をまとめられるかに世界経済の行方がかかっている。
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中国外務省報道官“貿易戦争したくないが絶対に恐れもしない” (5月15日)
米国は中国からの輸入品3000億ドル分に関税を上乗せすると繰り返し威嚇し合意にならなければ中国はひどい損害を被るだろうと主張した。
中国外務省・耿爽報道官は「14日の会見で中国は貿易戦争を戦いたくないが絶対に恐れもしない」とコメントした。
トランプ大統領は先日、土壇場で中国側が合意していたいくつかを撤回したと指摘した。
こうした主張には中国側の姿勢が後ろ向きになり協議が妨げられているとの見方がある。...
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米国は中国からの輸入品3000億ドル分に関税を上乗せすると繰り返し威嚇し合意にならなければ中国はひどい損害を被るだろうと主張した。
中国外務省・耿爽報道官は「14日の会見で中国は貿易戦争を戦いたくないが絶対に恐れもしない」とコメントした。
トランプ大統領は先日、土壇場で中国側が合意していたいくつかを撤回したと指摘した。
こうした主張には中国側の姿勢が後ろ向きになり協議が妨げられているとの見方がある。
これに対し約束を破ったのは中国側ではなく米国だと報道官はコメントした。
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対中追加関税・米国・約3000億ドル分に最大25%上乗せ公表(5月14日)
米国・通商代表部は中国からの輸入品のうち約3000億ドル分に最大25%の関税を上乗せする手続きに入ったことを公表した。
トランプ政権は中国との貿易交渉で歩み寄りが見られなかったとして10日、中国からの2000億ドルの輸入品に関税上乗せを10%から25%に大幅に引き上げた。
これに対し中国も報復措置として「米国からの600億ドル分の輸入品に上乗せ関税を来月1日から最大25%に引き上げる」と昨夜発表した。...
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米国・通商代表部は中国からの輸入品のうち約3000億ドル分に最大25%の関税を上乗せする手続きに入ったことを公表した。
トランプ政権は中国との貿易交渉で歩み寄りが見られなかったとして10日、中国からの2000億ドルの輸入品に関税上乗せを10%から25%に大幅に引き上げた。
これに対し中国も報復措置として「米国からの600億ドル分の輸入品に上乗せ関税を来月1日から最大25%に引き上げる」と昨夜発表した。
この報復措置にさらに対抗し、米国通商代表部はまだ関税をかけていない約3000億ドル分に最大25%の関税を上乗せする手続きに入った。
医薬品、レアアースなどは対象外。通商代表部は来月17日に公聴会を開き、産業界などから意見をきくことにしている。これが実行されれば中国からのほぼすべての輸入品が追加関税の対象になる。
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貿易摩擦・米国関税引き上げ13日詳細公表・中国からの全輸入品対象に(5月13日)
米国のトランプ政権は中国との貿易交渉で歩み寄りがみられなかったとして、まだ関税を上乗せしていない輸入品についても新たに上乗せする手続きを始め、13日にその詳細を公表する方針である。
これが実行されれば中国からのすべて輸入品が関税引き上げの対象となる。トランプ政権は中国からの2000億ドルの輸入品の関税上乗せを10%から25%に大幅に引き上げた。
これに対し、中国側も報復措置をとる構えを見せたことから、米国通商代表部は新たに関税上乗せの手続きを開始することにした。...
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米国のトランプ政権は中国との貿易交渉で歩み寄りがみられなかったとして、まだ関税を上乗せしていない輸入品についても新たに上乗せする手続きを始め、13日にその詳細を公表する方針である。
これが実行されれば中国からのすべて輸入品が関税引き上げの対象となる。トランプ政権は中国からの2000億ドルの輸入品の関税上乗せを10%から25%に大幅に引き上げた。
これに対し、中国側も報復措置をとる構えを見せたことから、米国通商代表部は新たに関税上乗せの手続きを開始することにした。実行されれば関税上乗せは中国からの全輸入品が対象となる。
米国との貿易交渉責任者である中国・劉鶴副首相は国営メディアを通じて中国の立場を直接説明した。
米国・クドロー国家経済会議委員会は「来月日本で開かれるG20サミットでトランプ大統領と習国家主席が会う公算が高いだろう」と述べた。
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米国トランプ大統領・貿易交渉長期化“中国・さらに不利に”(5月12日)
貿易をめぐって米中の対立が激しくなる中、米国のトランプ大統領は、ツイッターに交渉が長期化した場合、「中国にとってさらに不利な取り引きになるだろう」と投稿し、速やかに歩み寄るよう圧力を強めた。米国と中国は先週、ワシントンで閣僚級の交渉を行ったが双方の溝は埋まらず、トランプ政権は中国からの2000億ドルの輸入品に上乗せしている関税を10%から25%に大幅に引き上げた。
これに対抗して、中国側が報復措置を取る構えを示していることを受けて、トランプ政権は10日、中国からの輸入品のうち、まだ関税を上乗せしていない残りのおよそ3000億ドル分にも関税をかける手続きを始めると発表し、米中両国の対立は激しくなっている。...
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貿易をめぐって米中の対立が激しくなる中、米国のトランプ大統領は、ツイッターに交渉が長期化した場合、「中国にとってさらに不利な取り引きになるだろう」と投稿し、速やかに歩み寄るよう圧力を強めた。米国と中国は先週、ワシントンで閣僚級の交渉を行ったが双方の溝は埋まらず、トランプ政権は中国からの2000億ドルの輸入品に上乗せしている関税を10%から25%に大幅に引き上げた。
これに対抗して、中国側が報復措置を取る構えを示していることを受けて、トランプ政権は10日、中国からの輸入品のうち、まだ関税を上乗せしていない残りのおよそ3000億ドル分にも関税をかける手続きを始めると発表し、米中両国の対立は激しくなっている。
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