新型肺炎、世界経済への影響(2020/02/07)
新型コロナウイルスの拡散が止まらない中、中国経済が実質停止状態に入ったことにより、世界経済およびビジネスに悪影響が及び始めている。中国国内外の観光、自動車産業や技術産業への部品供給に至るすべてに影響が出ている。世界の株式市場は不安定となっており、中国経済も減速することが予想されている。
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『フランス アンフォ』によると、新型肺炎が確認された地域は中国の富の半分を生み出している地域でもあるため、中国経済全体が麻痺してしまっているという。そうした中、米アップルは、中国にある店舗を全て閉鎖し、スターバックスも中国本土で展開している4,000あるカフェの半数を閉鎖したという。北京近郊では、エアバスの組立ラインも無期限に停止されている。
英『ザ ガーディアン』によると、エアバスは、生産ラインを停止したことにより、これまでどおりの月約6機のA320航空機の製造は難しくなるという。...
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『フランス アンフォ』によると、新型肺炎が確認された地域は中国の富の半分を生み出している地域でもあるため、中国経済全体が麻痺してしまっているという。そうした中、米アップルは、中国にある店舗を全て閉鎖し、スターバックスも中国本土で展開している4,000あるカフェの半数を閉鎖したという。北京近郊では、エアバスの組立ラインも無期限に停止されている。
英『ザ ガーディアン』によると、エアバスは、生産ラインを停止したことにより、これまでどおりの月約6機のA320航空機の製造は難しくなるという。他にも、トヨタ、ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲンも生産ラインを停止している。
製造業への影響は中国だけにとどまらない。 韓国の自動車メーカー、ヒュンダイは、中国からの部品の提供が中断されたため、韓国国内の生産ラインが停止した。 日本のホンダも、ウイルス発祥地である武漢に3つの工場を持っている。
英国最大の製薬会社の1つであるGSKは、約100人を雇用する天津の医薬品包装施設が、旧正月の長期休暇後も閉鎖されたままであると発表した。 同社には中国全土に3,000人の従業員がおり、その多くは自宅で働いているという。
『ザ ガーディアン』は、中国市場での売り上げにかなり依存しているグローバルブランドも、打撃を受けていると報道している。ナイキにとって、通常であれば収益の約17%を占めている中国市場であるが、中国本土の店舗の約半分を閉鎖し、残りの店舗でも時短で対応している。アディダスも「相当数」の店舗を閉鎖した。H&Mは中国での店舗閉鎖(約45店)が1月の売上に悪影響を及ぼしたと発表した。ギャップやヒューゴボスも店舗閉鎖又は時短で営業しているという。
なお中国は米国に次ぐ世界第二位の映画市場であり、世界の興行収入が10億ドルを超えると予想されているが、現在すべての映画館が閉鎖されているため、影響が懸念されている。
しかし、最も打撃を受けている産業の一つは観光産業だという。近年、海外旅行をする中国人の数は急増しており、2000年のわずか1,050万人から2018年には1億5,000万人に増加した。しかし、ウイルスの拡散を制御するために国外旅行が禁止されたため、中国人観光客の多い東アジアで影響が出てしまっている。
アジアセンター研究所のジャン・フランソワ・ディ・メグリオ代表は、『BFMTV』に対して、新型肺炎により中国経済が減速し、世界経済が苦しむことは確かであるが「今日、どの企業も緊急時対応策を練り直しており、代替案を立て直しているところ」であることも事実だと述べている。
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スウェーデンの山、地球温暖化の影響で最高峰の座を失う(2019/09/10)
スウェーデンの最高峰として人気の観光地でもあるケブネカイセ山。二つの主要な尾根があり、北頂は氷河に覆われていないが、南頂は氷河に覆われており、南頂は1世紀以上にわたってスウェーデン最高峰として知られていた。しかし、数十年続いている気温上昇によって氷河の3分の1以上が溶け、今年初めて最高峰の座を失った。
『ロイター』によると、1880年に測定が開始されて以来、スウェーデンの子供たちは、南頂がスウェーデンで最も高い峰であると教わってきた。しかし、南峰を覆う氷河の融解によって、これからは氷河のない北頂が最も高い頂きだと教わることになる。
ストックホルム大学の地理学教授であるニニス・ロスクビスト氏は「これは非常に象徴的な変化です。この小さな峰はスウェーデンのシンボルです」と述べている。 「これは驚くことではありません。...
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『ロイター』によると、1880年に測定が開始されて以来、スウェーデンの子供たちは、南頂がスウェーデンで最も高い峰であると教わってきた。しかし、南峰を覆う氷河の融解によって、これからは氷河のない北頂が最も高い頂きだと教わることになる。
ストックホルム大学の地理学教授であるニニス・ロスクビスト氏は「これは非常に象徴的な変化です。この小さな峰はスウェーデンのシンボルです」と述べている。 「これは驚くことではありません。温度が上昇すれば、氷は溶けます。しかしこのことは多くの人々にとって本当に衝撃的なことです」と語った。
過去50年の間に、南の山頂は約60メートルの氷河のうち24メートルが溶けてなくなった。 現在は北頂が標高2,096.8メートル、南頂が標高2,095.6メートルだという。
ロスクビスト教授が『ザ ガーディアン』に語ったところによると、氷河は冬の雪と氷で再び積もる可能性が高いため、南の山頂はトップの座を一時的に回復する可能性があり、しばらくの間は高さの変化が続く可能性があるという。しかし、氷河が減少していく傾向は定着したものとなっており、明確であるという。
スウェーデンは2018年5月と7月に過去最高の気温を記録し、夏の気温は平年より10℃以上高かった。
同教授は、ケブネカイセの南頂のような小さな氷河は、特に暖かい夏の影響を受けていると説明している。厳しい冬ではなく、氷河が成長できるのは主に涼しい夏だという。 しかし、一昨年から続く暑い夏により、雪と氷は急速に溶けてしまった。同教授は、「気候変動がこうして目の前に見えるようになりました。私たちは何か行動をとっていく必要があります」と訴えた。
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