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【Globali】
エボラ出血熱に対峙する世界(2014/10/20)
感染者数8,997人、死者数4,493人と爆発的な拡大を見せているエボラ出血熱(10月17日時点、「米メディアが見る政府及び医療関係者のエボラ対策」より)。米国やスペインでは、エボラ出血熱患者を治療していた医療関係者が二次感染、英国航空は発生国への便のとりやめ、エールフランスでは乗務員が発生国への乗務を拒否するなど、エボラ出血熱による感染への懸念が、世界各国で広がっている。しかし、エボラ出血熱の脅威に対する認識は、各国にばらつきがあり、国際社会の足並みが揃っているとは言いがたい状況だ。最も国際社会を牽引すべきWHO(世界保健機関)のリーダーシップが発揮されない中、最低限、各国でどのような対策が行われており、それがどのように影響してくるのかについて、我々は注意深く監視していく必要がある。各国メディアは、現在、エボラ出血熱について、以下のように報じている。一部 『NHKBS1ワールドニュース』を参照した。
10月20日付 『ZDF』(ドイツ)は、「われわれすべてが、エボラ出血熱を過小評価していた。今は、毎日が確固たる対策を採ることなしに過ぎていき、エボラとの戦いに敗北する危険が迫っている」、とのシュタインマイヤー外相(ドイツ)の危機感迫る演説(世界保健サミット)を紹介し、エボラ出血熱に対する甘い見方を戒めるよう警告した。エボラ出血熱に対する対策は、各国でどのように進められているのだろうか。 10月20日付 『BBC』(英国)は、「カナダは臨床試験が終わっていない治療薬を、WHO世界保健機関に提示、米国においてもワクチン開発が進められていて、サンディエゴでは患者からとった血液を使い、その抗体から治療薬の開発を目指している」等、ワクチン開発に向けた各国の取り組みを紹介している。...
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10月20日付 『ZDF』(ドイツ)は、「われわれすべてが、エボラ出血熱を過小評価していた。今は、毎日が確固たる対策を採ることなしに過ぎていき、エボラとの戦いに敗北する危険が迫っている」、とのシュタインマイヤー外相(ドイツ)の危機感迫る演説(世界保健サミット)を紹介し、エボラ出血熱に対する甘い見方を戒めるよう警告した。エボラ出血熱に対する対策は、各国でどのように進められているのだろうか。 10月20日付 『BBC』(英国)は、「カナダは臨床試験が終わっていない治療薬を、WHO世界保健機関に提示、米国においてもワクチン開発が進められていて、サンディエゴでは患者からとった血液を使い、その抗体から治療薬の開発を目指している」等、ワクチン開発に向けた各国の取り組みを紹介している。同時に「開発されたワクチンの安全性が確認できれば、来年にも使用できるかもしれないが、人で試すのはまだ距離感がある」と若干、不安感を覚える開発者のコメントも取り上げた。これは空港での水際対策の限界が指摘される中で、緊張感を欠く発言だ。一方で、米国は各国に先駆けて、エボラ出血熱対策の責任者を決定した。 10月18日付 『PBS』(米国)は、「米国におけるエボラ出血熱対策の責任者に、アルゴア元副大統領や、ジョゼフバイデン副大統領の副大統領首席補佐官を務めたロンクライン氏に決まった」と報じた。公衆衛生の経験がないクレイン氏の起用の理由について、「感染の拡大を阻止し、国民の不安を和らげるために(クレイン氏を)選んだ。今後、連邦政府の対策を監督してもらう」、とのホワイトハウスのアーネスト報道官の発言を紹介した。
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ASEMでのプーチン大統領(2014/10/20)
イタリアで行われたASEMに出席した安倍首相は、プーチン大統領と短時間の会談を行なった。安倍首相は冒頭、「難しい状況でも対話をすることが重要」とした上で、ウクライナ停戦合意(ミンスク合意)の完全履行を、プーチン大統領に迫り、G7側への忠誠を示して見せた。会談では、来月北京で行われるAPECで日露会談を行い、対話を続けていくことで合意したものの、プーチン大統領がウクライナ問題への強硬姿勢を変えることはなかった。さらに、この後行われたプーチン大統領の記者会見で、ミンスク合意に言及した日本は、プーチン大統領からの手痛いしっぺがえしを受けることになった。各国メディアは、ASEMのプーチン大統領参加について以下のように報じた。一部 『NHKBS1ワールドニュース』を参照した。
10月18付 『ZDF』(ドイツ)は、「ASEM・アジアヨーロッパ首脳会議は、ウクライナ問題解決策を見つけるチャンスを提供するものだったが、ロシアのプーチン大統領は西側に歩み寄る手段を放棄した」と報じ、「ウクライナ、フランス、イタリア、ドイツ、英国の各国首脳は、プーチン大統領と協議したが、進展は見られなかった」と伝えた。10月18付 『RTR』(ロシア)は、ASEMに参加したプーチン大統領の総括記者会見の模様を伝えた。...
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10月18付 『ZDF』(ドイツ)は、「ASEM・アジアヨーロッパ首脳会議は、ウクライナ問題解決策を見つけるチャンスを提供するものだったが、ロシアのプーチン大統領は西側に歩み寄る手段を放棄した」と報じ、「ウクライナ、フランス、イタリア、ドイツ、英国の各国首脳は、プーチン大統領と協議したが、進展は見られなかった」と伝えた。10月18付 『RTR』(ロシア)は、ASEMに参加したプーチン大統領の総括記者会見の模様を伝えた。プーチン大統領は、「ロシアは今、着実にアジア各国、特にアジア太平洋地域との関係を拡大している。中国の経済成長を、利用しないのは愚かなことだ」と発言し、欧州が(ロシアへの経済制裁を解除する)努力を見せなければ、天然ガスの輸出先を中国に振り向ける意向を示唆してみせた。欧州の天然ガスのおよそ3分の1は、ロシア経由のものであり、これがなくなれば、欧州側の打撃ははかりしれないものになる。つい先日のミンスク合意で、ガス問題解決に一定の道筋がついたとしていた、欧州側にとっては想定外の発言といえよう。ロシアは中国との間で2015年までに、欧州向けの天然ガスを中国に振り向けるなど、38項目にも及ぶ協定に、署名したばかり(世界が見る中露関係参照)であり、ルーブル下落など、ロシア国内での経済問題に苦しむプーチン大統領は、周到な網を張り巡らした上で、ASEMに臨んだものとみられる。会見後半では日本にも言及し、「日本には高度な技術の可能性があり、日本とロシアの関係は平和条約に関する問題の解決策を図る面でも、これまで前向きに進展してきた」と持ち上げていたものの、途中から「日本側は(ロシアとの)すべての政治レベルの関係を凍結した。これはロシア側の発意によるものではない」と発言、ウクライナ情勢で結託する日本と欧米への強烈な不満を露わにし、ウクライナ問題に日本が口出しすることを牽制した。
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