イーロン・マスクの衛星ネット接続サービス「スターリンク」、フランスに上陸(2021/02/23)
フランスの通信規制当局であるアルセプトは、スターリンクが、高速インターネット接続サービスが届いていないフランスの奥地に、衛星による超高速ブロードバンドをもたらすことを可能にする特定の周波数を使用することを許可した。
『レゼコー』は、光ファイバーが届かないフランスの奥地でもネットを満喫できるようになる日は遠くない、と報じている。フランスは、テスラCEOのイーロン・マスクが手掛けている衛星インターネット接続サービス「スターリンク」に対し、フランスでのサービス販売を許可した。フランスはブレクジット後の欧州で、英国に次いで、いち早く衛星ネットサービスを導入するヨーロッパの国となる。
スターリンクは、光ファイバーや4Gがカバーしていない地域に超高速ブロードバンドをもたらすことができる低軌道高速インターネット通信衛星ネットワークである。...
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『レゼコー』は、光ファイバーが届かないフランスの奥地でもネットを満喫できるようになる日は遠くない、と報じている。フランスは、テスラCEOのイーロン・マスクが手掛けている衛星インターネット接続サービス「スターリンク」に対し、フランスでのサービス販売を許可した。フランスはブレクジット後の欧州で、英国に次いで、いち早く衛星ネットサービスを導入するヨーロッパの国となる。
スターリンクは、光ファイバーや4Gがカバーしていない地域に超高速ブロードバンドをもたらすことができる低軌道高速インターネット通信衛星ネットワークである。現在すでにスターリンクの人工衛星800機ほどが地球から550km離れた場所に配置されている。
米国、カナダ、英国の加入者を対象にベータテストが行われているが、スターリンクを提供しているスペースX社は、ヨーロッパ全域への展開を計画しており、長期的には、世界の超高速ブロードバンド市場の3%から5%を獲得することを目標としている。
フランスのテックニュースサイト『O1ネット』や『フュチュラサイエンス』によると、サービス加入者がネットワークに接続するためには、地上でドームと大型アンテナを備えた中継局が必要になるという。フランスでは、フランス本土最大のジロンド県にあるヴィルナーヴ・ドルノン、フランス最北端にあるグラヴリーヌ、フランス北東部にあるサン=セニエ=ド=ブヴロンの3つの村で中継局の設立が認可された。しかし、この最後の人口350人ほどの村、サン=セニエ=ド=ブヴロンでは、町役場が予防原則として反対しているという。
村長のブノワ・アマール市は、中継局は「5m²のコンクリートベースに直径2.30mの9つの放物線状のボールが置かれる」ものだと説明している。建設規模が20m²を超えるため、村の議会はスペースXに建築許可証の提出を求めた上で、全会一致で却下したという。村人の1人で、地域評議員のフランソワ・デュフールさんは、「ソーシャル ネットワークやインターネットサービスはすでにある。なぜそれを月まで探しに行く必要があるのか」と語っている。
スペースXは、サン=セニエ=ド=ブヴロンの拒否に対するコメントは発表していないものの、将来的には、中継局の数を減らすために、衛星間のレーザーリンクに頼ることを計画している。そのためには、今後打ち上げられる衛星の軌道を下げる必要が出てくるため、米国連邦通信委員会からの認可を求めている。しかしこれにはアマゾンが反対している。独自の衛星ネットサービス「プロジェクト・カイパー」を推し進めているアマゾンは、将来的に自前の衛星を宇宙に配置する際にスターリンクの衛星が支障となることを恐れているからだ。
こうした中でもスペースXはサービスを着々と拡げている。『ビジネスインサイダー』によると、当初、米国北部、カナダ南部の一部でのみ利用可能だったスターリンクのサービスは、15日からは英国でもサービスを開始した。また、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、および米国やカナダの、スターリンクがまだ利用できない地域でも、2021年半ばから後半にかけてサービスを利用出来るようになる見通しとなっている。スペイン、イタリア、インド、日本、カリブ海諸国など、他の国々も今年中にスターリンクを認可する可能性があると見られている。
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欧州宇宙機関、宇宙のゴミ掃除に乗り出す(2020/12/03)
欧州では、人間が宇宙に残してきたゴミ(スペースデブリ)を掃除する第一歩が踏み出された。欧州宇宙機関は1日、スイスの新興企業と契約を結び、2025年に宇宙のゴミを撤去する世界初のミッションを遂行することを発表した。
仏
『フランスアンフォ』によると、欧州宇宙機関(ESA)は、人間が宇宙に残した残骸を取り除く「ミッション・アドリオス」に乗り出した。ESAは初の試みとして、2013年以来地球の上を回っているロケットの残骸を拾い、撤去する、ゴミ収集機の「クリアスペース1」を開発する。プロジェクトを担当するのはスイスの小さな会社「ClearSpace」で、すべてがうまくいけば、2025年に打ち上げられる予定となっている。...
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仏
『フランスアンフォ』によると、欧州宇宙機関(ESA)は、人間が宇宙に残した残骸を取り除く「ミッション・アドリオス」に乗り出した。ESAは初の試みとして、2013年以来地球の上を回っているロケットの残骸を拾い、撤去する、ゴミ収集機の「クリアスペース1」を開発する。プロジェクトを担当するのはスイスの小さな会社「ClearSpace」で、すべてがうまくいけば、2025年に打ち上げられる予定となっている。
ゴミ収集機は、4本の腕と4本の触手を持つ衛星サイズの装置となる予定で、ヨーロッパが開発したかつての「ベガロケット」の残骸、100kg以上もの重さがある破片をキャッチすることを使命とする。この収集が成功すれば世界で初めてとなる。無重力状態の宇宙空間では、モノに触るとそれが飛んで行ってしまうため、ゴミ収集機はまずその4本の腕で瓦礫を取り囲み、その後4本の触手を閉じることでゴミを囲い込む予定だ。その後、大気圏に突入させて摩擦で燃やすことを想定している。
ESAによると、今日では23,000個以上の大小さまざまな破片が宇宙空間を飛んでおり、監視の対象とされている。9月、国際宇宙ステーションは、地球上をさまよっているこれらの破片との衝突を避けるために、今年3回目の位置変更を余儀なくされている。
ハイテク専門ニュースサイトの仏『O1ネット』によると、ClearSpace社は、こうした宇宙のゴミを撤去していくための新しい技術を開発するコンソーシアムを主導していく予定だという。プロジェクトには、スイス、イギリス、チェコ、ドイツ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スウェーデンの8カ国が参加する。マイクロソフトも、社会起業家向けプログラムを通じて支援を提供していく予定だ。しかし、ESAは今回の「クリアスペース1」プロジェクトの一部のみを負担するため、ClearSpace社は追加の資金を集める予定となっている。
宇宙には、捨てられた人工衛星、ロケットの破片、ソーラーパネル、使わなくなったボルトなど、60年前から様々な廃棄物が飛んでいる。寿命の短い巨大な衛星群の形成で、宇宙のゴミ問題がさらに深刻化することが予想されている。こうしたゴミはすべて時速2800kmで地球を周回しているため、他の衛星や国際宇宙ステーションとの衝突の可能性が懸念されている。
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