3月24日付
『ロイター通信』は、中国でこの程、遠距離恋愛中のカップルが、離れていてもスマホ経由で相手と間接キスが交わせる商品が開発されたと報じている。
「ロング・ロスト・タッチ(ずっと忘れていた感触)」と名付けられた、シリコン製のロボット唇が備えられた装置で、モーションセンサー(注後記)を利用して、本物のキスの動きや熱・圧力を再現することができる。
開発者の趙剣波氏(チャオ・チアンポー)によると、3年間続いた新型コロナウィルス(COVID-19)問題で、広範囲にわたり幾度となく都市封鎖措置が講じられた際にアイデアが閃いたという。...
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3月24日付
『ロイター通信』は、中国でこの程、遠距離恋愛中のカップルが、離れていてもスマホ経由で相手と間接キスが交わせる商品が開発されたと報じている。
「ロング・ロスト・タッチ(ずっと忘れていた感触)」と名付けられた、シリコン製のロボット唇が備えられた装置で、モーションセンサー(注後記)を利用して、本物のキスの動きや熱・圧力を再現することができる。
開発者の趙剣波氏(チャオ・チアンポー)によると、3年間続いた新型コロナウィルス(COVID-19)問題で、広範囲にわたり幾度となく都市封鎖措置が講じられた際にアイデアが閃いたという。
すなわち、当局の命令で当該措置対象となった地域では、家から一歩も出ることが許されず、“恋人と長い間会えなくなり、とても寂しい思いをしたから”、何か寂しさを補うものはないかと考えたことから生まれたという。
趙氏は当時、北京電影学院(1950年前身設立、中国で唯一、映画関係の人材を専門に養成する大学)の学生で、卒業記念の作品制作に取り掛かっていて、オンライン通話だけでは物足りなく思い、何かスキンシップができないか考えて当該商品の開発に漕ぎ着けたものである。
同氏は、思維幅射(シーウェイフシュ)という会社を立ち上げ、今年1月22日に同商品を“MUA(キス音を元に命名)”と名付けて約260人民元(38ドル、約5千円)で売り出した。
同氏によると、ゼロコロナ政策に伴う行動制限が昨年12月に大幅緩和されている中でも、発売後2週間で3千個以上が売れ、更に2万個もの注文を受けているという。
MUAは、利用者双方が保有する必要があり、各々のスマートフォンを装着した上で、アプリをインストールして使用する。
利用者双方は、スマートフォンの画面越しにキスを交わすことができ、キスの際に生じる音や温かみまでも再現できるという。
なお、中国版SNS「新浪微博(ウェイボー、2009年開始)」上には、当該商品が性的な目的で使用されかねないと危惧する声が投稿されている。
また、規制の厳しい中国当局から何らかの制限措置が講じられる恐れがあるが、趙氏は、“顧客が本商品をどう使うかは、自分たちではどうしようもない”とコメントしている。
(注)モーションセンサー:動作を感知するための装置。人の身ぶりや手ぶり、指先の動きなどを検出する機械であり、その機能を使うことで、機器を操作したり人の動きを分析することができる。
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